バチスタとは、拡張型心筋症に対する手術形式の一つ。
アメリカ帰りの桐生教授が東城大学でこのチームを組んで破竹の20数例無事故で成功。しかしその後、術中事故死の連続で、その原因解明が発端となる医療ミステリーで、息を継がせる間もない面白さ。
だが、犯人の造形が弱く、あのレクター博士(トーマス・ハリスの「羊たちの沈黙」など)に比べると、遠く及ばず何故犯罪に走ったのかも定かでないのが残念だ。
作者は医師で、これが初のミステリーだという。そして2005年の宝島社の「このミス」の大賞を受賞(全く知らなかった)。それは兎も角、医療ミステリーとして出色の出来だとは思う。