「一分-いちぶん-」というのは、最近聞き慣れない言葉。そこで、辞書(新明解国語辞典-三省堂-)で調べたら、「一人前の存在として傷つけられてはならない、最小限の威厳」とある。
殿の毒味役で失明した木村拓哉演じる「武士」が、その美しい「妻」(壇 れい)を上司(板東三津五郎)に寝取られる。そこから、「武士の一分」に関わることとなる。
二人とも免許皆伝の剣の腕前、命を懸けた果たし合いで、「武士の一分」を護る彼の姿は、清々しい。結果はここに書かない方がいいとおもうので、ここまで。
胸にジーンとくる物語。キムタクが真に迫っている、仲間役の笹野高史の一寸とぼけた感じがいい。緒形 拳、小林念持、桃井かおりなど。
原作は前二作(「たそがれ清兵衛」、「『隠し剣』鬼の爪」)と同様、藤沢周平。平日なのに、ほぼ満員の観客に驚いた。
有り難うございました。