名古屋大学の女子学生が訪ねてきた高齢の女性を部屋に上げ、手おので殴って殺害した事件の裁判が新聞に載っていた。77歳の女性は「エホバの証人」で、熱心に女子大生を勧誘していたようだ。女子大生はこの女性をターゲットにした理由を「自宅で会うのが一番早い」と答えている。犯行時や殺害後に実験記録として写真を撮ったことも明らかにした。
さらに犯行の様子を生々しく語っている。「森さん(被害者)が『殺すつもりなの?』と声を出したので『はい』と答えた。『どうして』と聞いてきたので、『人を殺してみたかった』と言った後、森さんは倒れて意識が亡くなった」。亡くなるまで何を考えていたのかと問われると、「人間ってなかなか死なないんだ、と思った」と答え、犯行後はどうしたかと聞かれると、「中国語の試験勉強や、妹とメールした」と答えている。
さらにツイッターに何と書き込んだのかと問われると、「ついにやったと書き込んだ。殺した達成感があったかも知れない」と答えている。女子大生は「まだ人を殺したいという考えが浮かんでくる」とも答えている。計画的な犯行だが、罪の意識は全く感じられない。3時間余りの被告人に対する質問に「終始淡々と答えた」と中日新聞は伝えている。名古屋大理学部にストレートで入学できたのだからかなり優秀な学生である。
1997年に神戸市で起きた酒鬼薔薇聖斗を名乗る少年の殺人事件を思い出す。彼も確か、小6の女の子をハンマーで襲撃した時、「野菜が壊れるか実験した」と述べていた。さらに小6の男の子を殺害し、遺体を金ノコで切断、その頭部を家に持ち帰って洗い、口に切れ込みを入れて中学校の正門前に置いた。こうした行為を儀式と言っていた。この時、いろんな人が「2度と起きないように」と事件を評論していた。
戦後教育が生んだとか、ニュータウンだから起きたとか。女子大生も酒鬼薔薇聖斗に刺激されたと述べている。確かに、特殊な子どもが育ってきたのだろうが、教育だけでは分からない、社会環境とか価値観とか、何かもっと大きなものが作用している気がする。