友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

イエローハットの社長語録

2008年10月23日 22時08分49秒 | Weblog
 イエローハットの社長、鍵山秀三郎氏(今も社長かどうかは知らない)の著書『一日一話』を随分前に頂いた。こういう格言めいたものを読む気がなかったので、本棚の隅に隠れたままだった。今日のように、さて何かテーマがないものかと探している時は、ちょっと目を通してみるかと言う気持ちになる。

 「まえがき」とか「あとがき」を読むと、その本のおよそのことがわかる。『一日一話』の「まえがき」の書き出しは次のようだ。「私は昭和19年9月、11歳のとき、空襲の激しくなった東京から山梨県に学童疎開しました。それまでの私は、両親の庇護のもと、何不自由のない生活を送っていましたが、疎開で一変し、わずか半年で栄養失調になり、視力もほとんどなくなってしまいました。」(略)

 「しかし、そのおかげで、どんなに貧しさにも、どんな粗食にも、どんな労働にも耐えられる体と精神を培うことができました。それが私の唯一の財産といってもいいと思います。昭和28年、単身で東京に出てきたのは20歳のときでした。幸運にも、ある会社に拾われて、昭和36年まで勤めました。その会社では破格の待遇を受けましたが、社長の生き方・経営姿勢をどうしても理解できず、会社を辞めて独立しました。」

 ここまで読めば、成功した企業のノウハウを記したものかと想像がつく。「まえがき」の最後の辺りはこう結んでいる。「私は“簡単なこと”“単純なこと”をおろそかにせず、人が見捨てたものや見過ごしてきたことをできるだけ拾い上げ、価値を見出す努力をしてまいりました。別の言葉で申し上げれば、掃除を通して身につけた生活感覚が全ての土台になっています。ところが、いまの世の中はそういう生活感覚があまりに欠落しているのではないかと危惧しています。」

 つまり、鍵山氏が一代で企業を立ち上げられたのは“掃除”に鍵があるのです。本書の第1話は「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる。私の思いを込めた言葉です。」から始まります。「荒んだ社員の心を穏やかにするためにはどうしたらいいのか。熟慮の末、始めたのが掃除でした。最初は私一人で始めました。そのころ、私がトイレ掃除をしている横で用を足していく社員や、階段を拭いている私の上を飛び越えていく社員ばかりでした。」

 鍵山氏の経営は「譲れることは、できるだけ譲るようにしております。譲ってばかりいたら人にやられてしまうと考える人がいますが、そういうことはありません。譲れることは譲ったほうが、逆に強くなれるものです。」「①よいことをすれば、人に好かれる。②良いことを進んでやれば、人にあてにされる。③よいことを続けてやれば、人から信頼される。この3つが守れれば、年齢に関係なく立派な人間になれると思います。」「自分を投げ出したとき、初めて人が動いてくれるようになります。」

 こんな具体的な言葉が365話綴られている。具体的なだけに説得力があるが、実際に鍵山氏の言葉どおりに実践できるならば、氏と同じように「立派な人」になれるだろう。しかし、凡人はただ感心するばかりである。
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