友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

ポピュリズム

2012年11月30日 21時00分16秒 | Weblog

 朝晩の冷え込みが厳しく、紅葉が美しいと感心していたら、11月も今日で終わりである。明日からはもう冬か、そう思うといっそう寒くなった気がする。ルーフバルコニーで鉢の土の入れ替えをしていると、平日なのに政党の街宣車が「皆さんのご支持を我が党にお願いします」とやって来る。「約束は守ります」とか、「改革を行ないます」とか、相変わらず「何をどうするという内容がないまま」に、政党や候補者の名前ばかりを流していく。

 滋賀県知事の嘉田由紀子さんが脱原発グループをまとめるために、『日本未来の党』を立ち上げた。安倍自民党総裁に言わせれば、「トイレに行っている間にまた新しい政党が出来た」ことになるが、当然そうなるだろうと予想しなかった安倍さんの政治感覚が鈍いということだろう。15にもなる小さな政党が右往左往していたのでは有権者はどうしたらよいかと迷うだろう。そうすれば死票が多く生まれる。これを食い止めないと脱原発は遠のいてしまう。

 さらに、議員数では多いけれど、選挙になれば半数も当選できないであろう『生活が第一』は嘉田さんと組むことで小沢色を薄める必要があったと思う。ここで小沢さんが「引退」を表明すればもっとよかったのかも知れない。「いろんな考えがあって違うのに、ひとつにまとまって何ができる。政治は実行することだ」と『維新の会』の橋下さんは言う。『維新の会』が石原さんの『太陽の党』と合流して、それまで掲げていた「維新八策」は吹っ飛んでしまったのに。

 それでも橋下さんの演説は迷いがない。合流する前は「政策が第一」と原則に立っていたけれど、合流してしまうと「政治は実行することです」と変わった。石原さんが「脱原発はしない」と言っているのに、橋下さんは「脱原発を目指す」と演説している。橋下さんは有権者に受けるだろうと思われることをまず大声で言う。脱原発も脱官僚も議員定数の削減など、国民の気持ちを代弁するようなことを必ず言う。

 橋下さんの政治手法を「ポピュリズム」という。今日の朝日新聞に北海道大学准教授の吉田徹さんへのインタビューが載っていて、ポピュリズムを解説していた。ちょっと引用すると、「政治によって『代表される人々』と、社会にいる『実在の人々』との間には必ずズレが生じ、それが『自分は誰にも代表されていない』という政治不信を生みます。ポピュリズムはそのズレを修正する自己回復運動のようなもので、民主政治に不可避なもの」と言う。

 それではどうしたらよいのか。吉田さんは「ポピュリズムを徹底すること。(略)どんな社会に住みたいのか、どんな政治を望むのか、一人ひとりが突き詰めることから始めるしかありません」と結論付ける。そして政治のリーダーは企業経営者イメージではないとして、「政治のリーダーとは人々を導く上質な『物語』を語れる人です」と言う。37歳の准教授は私の考えに近いなと勝手なことを思った。

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