台風18号は今日の午前に日本海で温帯低気圧になった。そのためなのか、朝から曇ったり晴れたり雨が降ったりと、おかしな天気になっている。きっと昔も、こんな天気の日があったのだろうが、すっかり忘れてしまっている。いや、天気予報が正確になり、それに私がヒマになり、テレビで気象予報士の話を見る機会が多くなったからだろう。
昔のことは忘れてしまうが、人は「昔のことだけが変わることのない事実だ」と言う。それは確かにそうだけれど、「過去があるから現在がある」ことも理解するが、過去は取り返すことは出来ないのだから、結局は前を向いて進むしかない。どんなに年寄りになっても同じで、思い出にふけることはあっても、やって来るのは未知の時間である。
NHKの朝ドラは2作続けて、終戦時に10歳くらいの子どもが大人になっていく物語だ。前作はアニメ作家に、今週から始まったドラマは女流陶芸家の物語である。私よりも10程年上になるが、戦後の復興期の様子は自分の過去に近い。ひもじかった記憶はないが、街がどんどん華やかになっていったことはよく覚えている。
一糸乱れず一律に行動する日本人の生真面目さが、大戦へと突き進んだ要因だったのに、戦後の社会も何も変わらなかった。変わらなかったことが、高度経済成長を成し遂げる原動力となったのだから、皮肉なものだ。平塚らいてうの「原始、女性は太陽であった」で有名な『青鞜』が創刊されたのは明治44年だから、日本が近代国家として成長してきた頃だろう。
そんな時代に、「法律によって是認してもらうような結婚はしたくない。愛し合っている男女がひとつ家に住むことは当然で、形式的な結婚など不要」と言い切っていたことに驚かされる。社会に抗して生きてきた平塚さんは、愛知県一宮市生まれの市川房枝さんとも親交があった。どういう時代にも先駆者はいる。
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