にっちもさっちもいかない状態が続いている。守山区での井戸掘りは全く進展しない。鉄管を5.5メートル打ち込んだのに、水を上げることは出来ない。いったいどうしてなのかとみんながそれぞれに考える。
今日はメンバーがひとり入れ替わったから、考え方もひとり分増えた勘定で、ああでもない、こうでもないと手を尽くしたが、結局水を汲み上げることは出来なかった。お隣のご主人が見に来て、「水は出たかねえ」と聞く。
「この辺りの古い家には井戸があったが、5メートルくらいだったな。ボーリング調査の会社に頼んだら一日で掘ってしまうだろう」とも言われるが、「機材が入らないので、いろいろやっているんです」と説明するのがやっとだ。
知恵と力を貸してほしい。私たちは2年間も通い続けて、そろそろ限界を感じているが、依頼主が諦めない限りは何とか手を尽くしたいと思っている。明日は娘さんのピアノの発表会があると言うので、井戸掘りはお休みになった。
気が滅入る。気分転換を図る必要があるが、何をしたら良いのだろう。ロシアのプーチンも八方塞がりで、かなり滅入っているようだ。ヤケにならないようにして欲しいが、自分のことしか考え無いだろうから、どうすべきだろうかと考える。
「おいおい、お前ごときが考えて何が出来る」と声がする。プーチンのことなど考えずに、井戸掘りのことだけを考えろと言われそうだ。キリスト教の一派の人から教会に参加しないかと誘われている。
それで気分転換になるのなら、行ってみようかと思う。中学の時以来、「愛と性」に取り付かれてきた世俗な私は、世俗に染まっていないと信じている人々に接するのも悪くないかも知れない。