青い空が広がる爽やかな日、けれど真夏のように暑かった。１０月１日ともなれば、秋らしくなりそうなのに、まだしばらく暑さが続く天気予報だ。明日は久々に井戸掘り作業になる。名古屋の守山区で、父親の井戸掘りをふたりの子どもが手伝い、作業を始めてかなりになる。
昔は川底だったのか、小石が多くて手作業でしか掘れない。ご主人は金属のパイプをハンマーで打ち込み、「何とか５メートルを超えた」と知らせてきた。その深さなら水が出るかも知れないので、明日、確かめに行く。ご主人とお子さんたちのためにも、ぜひ、水が出るように祈りたい。
ご主人の作業を黙って見ていたカミさんも大したものだ。金ばかりかかる道楽を、非難することも無く見守っていたようだ。「もう、止めたら」と言いそうなところなのに、我慢していたのは夫を信じていたからなのか、子どもたちと共に夫の夢を応援していたからなのか。
先日、凄い言葉を聞いた。「結婚とは諦めることなり」。結婚したふたりは互いに夢を持つ。けれど、生活を重ねていくと、夢は次第に霞んでいく。自分がどれだけ応えているかは棚上げにして、相手にばかり求めてしまい、すれ違いは不満になっていく。身体を重ねることから遠のいていながら、愛してくれていないと腹を立てる。
人は不完全なものと自覚すればいいのに、相手の不完全さばかりを非難する。夫婦の人生相談の多くはそんな問題ばかりだ。愛し合って結婚した、いやどんな形の結婚でも、出発したからには築き上げていくしかない。明日、水が出て、作業を見守っていた彼のカミさんの顔がほころぶのを見たい。
控え目でいつも優しい笑顔の美しい人、明日、お会いできるのが楽しみだ。きっと良い日になるだろう。
