友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

我が家で暮らしたセキセイインコ

2020年05月17日 17時28分57秒 | Weblog

 孫たちに本を贈る話をしていた時、カミさんが新聞の『本の紹介』欄を見て、「これ、いいんじゃーない」と言う。5歳の孫娘の本はすぐ決まったが、小5の孫娘の本は「難しいかも、ちょっと読んでみて」と手渡され、「ハッピーのことを思い出すわね」と続ける。

 小5の孫娘に贈ろうとした本は『ある小さなスズメの記録』である。我が家には昔、ハッピーと呼んでいたセキセイインコがいた。長女が小6の時に友だちからもらってきた鳥だ。初めのうちは彼女が世話していたが、中学生になると自分のことが忙しくなり、インコの世話は私に回ってきた。

 ハッピーの写真が無いかと、長女が残していったアルバムを見てみたが、残念ながら写っていなかった。年賀ハガキに家族の一員として毎年描いていたから、先回作成した冊子『はがき絵』を見ると、1983年から93年までの11年間我が家で暮らしたことが分かった。

 『ある小さなスズメの記録』は、玄関先で巣から落ちてきたスズメを拾い上げ、介抱し育てていく話である。生まれつきの奇形のスズメは、元気に育っていく。演技をしたり、歌を歌ったり、著者はスズメの才能に感心するばかりか、甘えたり嫉妬したり不機嫌だったりとスズメを観察している。

 本を読みながら、ハッピーのことを思い出した。初めは鳥籠に入れたままだったが、手のひらでエサを食べたり、指を差し出せば乗ってきたりと馴染んできたし、自由に家中を飛び回っていてもやがて鳥籠に戻るので、外出する時はゲージを空けておいた。

 私が玄関ドアにカギを挿し込む音を聞くと、玄関まで飛んできて、中に入るとすぐ頭に止まり髪の毛をついばんだ。肩に乗ると首に近寄って耳たぶを咬んでくる。家の中でも私の頭が一番のお気に入りのようだった。どこでもフンをすることも、巣の中にフンをすることもなく、フンは止まり木でしてくれたから掃除は楽だった。

 12年目の連休前だった。止まり木から落ちるようになってきたから、おかしいなと思っていたら、巣の下で亡くなっていた。自然に返してやりたかったので、家族4人で霧ケ峰高原へ出かけて行き、目印の木の傍に埋めた。「ありがとう、ハッピー」。

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