本当に暑い。出会う人は皆、「暑いですね。もう死にそうで、息もしたくない」とオーバーに暑さを強調していた。オーバー過ぎると言えないくらいの暑さだ。今朝は早くから神社境内での井戸掘りの後始末に出かけた。11メートル50センチほど掘ったけれど、水は出なかったので、大型の重機を持っている業者にバトンタッチし、掘った穴を埋めて元の状態にしてきた。場所は森の中だから、作業もしやすかったけれど、それでも身体を動かすと汗が噴き出してくる。宮司に報告し、現場を見てもらった。終わってみるとなぜか気が抜けた。「暑いし、お茶でも飲んで帰りましょう」と言うので、喫茶店に入った。30分ほどして出てくると灼熱の地獄だった。
家に帰って新聞を読む。愛知選挙区の参議院議員の谷岡郁子さんら3人の女性議員が民主党を離脱し、新会派「みどりの風」を結成した。谷岡さんのこれまでの言動からすれば当然の帰結だろう。彼女は強く脱原発を主張していたし、政府の大飯原発の再稼働に反対していた。また、消費税の増税についても反対であったから、小沢一郎さんが民主党を出る時、ひょっとしたら小沢グループかと懸念もした。小沢新党に名前はなかったので、民主党に留まり戦うとなると厳しいだろうと思っていたので、この選択はベストだろうと思う。小沢新党は次の選挙で大敗するだろう。谷岡さんには議員を続けて欲しい。新会派「みどりの風」は、日本に「緑の党」が誕生するならきっと一体になるだろう。
私が参議院議員の秘書となった時に、最初に浮かんだのはドイツの「緑の党」について調べることだった。それで同僚のベテラン秘書に頼んで国会図書館などから「緑の党」に関する論文や記事を集めてもらった。私が勤めた議員は無所属だったから、これからの政治がどうなっていくのか、必ず「緑の党」は飛躍するだろう、彼女がその魁になるようにと思い、資料を整えておいた。けれども議員は「楽して当選できる」ことに関心があり、「緑の党」には全く目も向けることがなかった。
それから何年かして、ドイツでは「緑の党」が与党になるまでに成長した。日本でも俳優の中村敦夫さんらが「緑の党」を立ち上げたけれど、いつの間にか消えてしまった。今再び、日本にも「緑の党」を創ろうという動きがある。私の高校時代の友だちも熱心に取り組んでいる。今度は時の流れが味方してくれるのではないかと思うけれど、何をスローガンに、どういう運動をしていくのか、によるのだろう。申し訳ないけれど、今の私は政治に関わるだけのエネルギーが残っていない。
谷岡さんのインタビュー記事が彼女の思いを語っていた。「原発事故は、(略)主権者全員を政治の当事者にさせた。その当事者意識が国民を立ち上がらせた。国民生活を根底から覆す原発はなくすべきなのに、政府の意思はまったく違う方向を向いている」「野田佳彦首相は自民党より右派的だ。そういうものへの違和感も離党を決めた原因だ。自民党政治の是正をしようとした民主党が国民の支持を受け、政権交代したが、私たちが知らない間に理念が変わってしまった」。でもね、谷岡さん、「知らない間に」と言ってはダメですよ。みんなそう言って責任逃れをしています。