ケイトウ（鶏頭）

ケイトウを総称する場合の学名は「Celosia cristata」で、インド・アジア地域が原産と言われますが、既に万葉の時代には渡来していたようです。ヒユ科ケイトウ属の一年草で房のような花は小さい花の集合体です。夏の花の代表格で、小さい頃に学校の花壇に植えて水遣りをしたことを思い出します。園芸店で見かけるケイトウを良く見ると3種類くらいに分けられます。鶏の鶏冠に似た「トサカケイトウ」は文字通りケイトウの和名の由来となっています。花序が槍のように尖っているものが「ヤリゲイトウ」、そしてもう一つ羽毛状に房のように咲くものが「フサゲイトウ」と言われています。もちろんそれぞれ中間的な品種もあります。最近は背丈の低い矮性のものも多く出回っています。写真は、小さくて羽毛状ですから、矮性のフサゲイトウの仲間だと思います。7月1日に近くの農園で撮影しました。

オシロイバナ（白粉花）

学名は「Mirabilis jalapa」で、メキシコ地域原産、オシロイバナ科オシロイバナ属の多年草です。5月頃から秋まで咲きます。午後遅く（夕方）に咲き始めることから、別名は「夕化粧」と言われます。日本に渡来したのは、江戸時代初期のようで、花期が長くて花が綺麗なことから、庭や境界地などで観賞用に植栽されています。一部は野原で自生し帰化したものもあるそうです。写真は7月4日に道路脇に咲いているものを撮影しました。黄色い花弁のように見えるものは実は花弁ではなく総苞といわれます。秋には小さな黒い実がなります。この実の皮を剥がすと、白粉のような粉状の胚乳があり、これが白粉のように見えることから和名となったようです。

ハス（蓮）

学名は「Nelumbo nucifera」で、英語では「Lotus」と言い、スイレン目ハス科ハス属の多年性水生植物です。仏像が蓮華の上に乗っているものが多いですが、蓮華はハスの花そのものですね。この写真は、昨年の夏霞ケ浦で栽培されているハスを撮影したものです。草高は約１ｍで、葉も水面から上に出ています。地下茎がレンコンで健康食品として最近注目されています。また、花が散った後に実が成りますが、果実の皮が厚くて硬いので長期間の発芽力を維持できるとされています。千葉市検見川遺跡で見つかった約2000年も前のハスの種を発芽させて、2000年ぶりに花を咲かせた大賀博士の話は有名です。花言葉は「雄弁」、「沈着」、「優しさ」だそうです。既述のスイレンの写真と比較してご覧下さい。ハスの葉は撥水性で、水面から高い位置に伸びた葉柄のほぼ中央についています。スイレンと違って、葉に切れ目がなく朝露が葉に溜まります。朝陽に光るハス葉の水滴はダイヤの輝きですよ。この時期から霞ケ浦では早朝にハスの花が咲き始めます。是非一度早朝に出かけてみては如何ですか。

カワラナデシコ（河原撫子）

通常良く見かけるナデシコは、在来種のカワラナデシコが多く、学名は「Dianthus superbus var. longicalycinus」で、ナデシコ科ナデシコ属の多年草です。ナデシコの品種は多く、欧州からアジアの広い地域に分布しているといわれています。カワラナデシコの別名は「大和撫子」とも言われ、万葉の時代から美しく咲いていたようで、秋の七草で山上憶良が歌を詠んでいますね。「大和撫子」は、中国原産のセキチクが渡来して「唐撫子」と呼ばれるのに対比した言葉のようです。近年更に品種改良がされて園芸店では「ダイアンサス」等と横文字で書かれたりしていますが、学名の一部をとったものです。写真のように白い花は幻想的に見えますが、「白鷺撫子」と言って愛でられたと言われています。日本女性の美しさの象徴とさえ言われるこの花は、何となく品位があり、凛として高貴な感じさえします。写真は数年前の7月、夕方に庭で撮影しました。