↑ ヤマドリゼンマイ
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歯朶萌えて岩滝翔ける雉子かな ・・・・・ 飯田蛇笏 [雲母]
きりきりと羊歯の渦芽の日を集む ・・・・・ 上村占魚
かくれても野兎の耳歯朶萌ゆる ・・・・・ ないとうともこ
歯朶は種類が多く、「夏緑性のシダ」の
ワラビ・ゼンマイ・クサソテツ・クジャクシダ・シノブなどは、
冬に葉が枯れ、春新たに芽生えます。
枯れていたシダが、春に萌え出る新葉は、柔らかくみずみずしく生気に満ちています。
この頃の若葉を広げる歯朶を「歯朶萌ゆる」といいます。
特に山中や庭の日陰に伸びるシダの若葉のようすは、
鮮緑色で美しく、繊細な趣があります。
* 新年の季語としての「歯朶」は、ウラジロ(裏白)を指します。
* 青歯朶(初夏)・歯朶(新年)・歯朶刈(仲冬)
[ シダ植物の総称 : 特に胞子体、大型の葉をつける類の総称,多年草 ]
しだ萌ゆるゆかしき女主かな ・・・・・ みなみ
シダ植物とは
種子ではなく胞子で繁殖し、
胞子体と配偶体がそれぞれ独立している維管束植物の総称です。
維管束とは、根が吸収した水分を運ぶための導管(シダ植物の場合は仮導管)と、
光合成でできた栄養分を運ぶための篩管が束になったものです。
シダ植物は、大きく小葉類と大葉類の二つの系統に分かれて進化してきました。
「くらべてわかるシダ」より
一般の植物と同じように、シダも環境に合わせて生育する種類がかわります。
シダにも常緑性や夏緑性の種類も多く、なかには冬緑性の種類もあり、
生育する時期が異なっています。
・常緑性は、春に葉を出し、翌年春に新しい葉が出るまで葉が枯れないもので、
ホウライシダ・イノモトソウ・ベニシダ・イノデなどです。
・夏緑性は、春に葉を出し、秋に葉が枯れてしまうもので、
シノブ・ゼンマイ・イヌワラビ・クジャクシダなどです。
・冬緑性は、晩夏に葉を出し、翌年の初夏近くに葉が枯れてしまうもので、
フユノハナワラビ・アオネカズラ・オオハナワラビなどです。
…クジャクシダ