しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

犬ふぐり ( いぬふぐり ) <季> 初春

2021-02-07 |  春の草木 の 俳句

◉ ひょうたんぐさ・いぬのふぐり

いぬふぐり星のまたたく如くなり ・・・・・ 高浜虚子 [六百句]
古利根の春は遅々たり犬ふぐり ・・・・・ 富安風生 [冬霞]
陽は一つだに数へあまさず犬ふぐり ・・・・・ 中村草田男 [萬緑] 
  
俳句でいうイヌフグリは帰化植物のオオイヌノフグリのことです。
早春、野原や畦みち・道端などの日溜りに、
ほかの草に先立って空色の可愛い花をたくさん開きます。
花色も濃いもの淡いものがあり、星を散りばめたような可憐な花で、
日を受けている時だけ開きます。
茎は根元で枝分かれして地を覆うように横に広がり、
葉は小さな卵円形で鋸歯があります。
在来種のイヌフグリは、淡紅色の小さい花を付けます。
帰化植物のオオイヌノフグリが各地に広がって、
現在では山間部に行かないとイヌフグリに出会えないほど減少してしまいました。

  [ ゴマノハグサ科クワガタソウ属の二年草、ヨーロッパ原産 ]

松林まで川沿ひを犬ふぐり ・・・・・ みな

オオイヌノフグリ (大犬の陰嚢)
明治初期に帰化植物として日本に入り、
今は各地の畑や道端に普通に見られます。
草丈は、15~30cm。
全体はイヌフグリより大きく、
茎は基部で枝分かれして地上を這って四方にに広がり、
柔らかな毛か生えています。
葉は、卵円形で長さ0.7〜1.8cm、幅0.6〜1.5cm、
先の鈍い鋸歯を持ち、茎の上部のものは互生し、下部のものは対生します。
花期は、3~5月。
葉腋から長い花柄を伸ばし、藍色の条を持った淡青色の小さな花を付けます。
花冠は径約8㎜で深く4裂し、筒部はごく短く、上裂片は幅広く円形、下裂片は小さいです。
雄しべは2個です。
日が当たっているときだけ開きます。
萼は深く4裂し、裂片は狭卵形て先は鈍形です。
果実は、蒴果でやや扁平な倒心臓形、
数個の大型の種子は長さ1.5㎜楕円体で腹部に窪みがあります。
名は、イヌフグリより大きく、果実の形が犬のふぐりに似ていることから付いたそうです。

コメント (8)
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