◉ 狗尾柳 ( えのころやなぎ )
ときをりの水のささやき猫柳 ・・・・・ 中村汀女 [花影]
,猫柳高嶺は雪をあらたにす ・・・・・ 山口誓子 [凍港]
来て見ればほゝけちらして猫柳 ・・・・・ 細見綾子 [桃は八重]
山野の川べりなど水辺に野生し、庭にも植えられ、
生け花に用いたり、観賞用にも栽培されています。
早春に、葉よりも早く、
銀ねずみ色のつやつやした絹のような毛を密集した花穂を付けます。
光のまばゆさ・水のきらめき・風のゆらぎなどの明るい光景の中で輝くさまには、
のどかな情感があります。
[ ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木 ]
お正月の花として活けた赤い芽の付いた枝が、
2月になると帽子を取るように赤い芽鱗を脱ぎ、
銀白の絹毛の花穂になりました。
水中の枝には白色の長い根が生えていました。
日のひかり集め机上の猫柳 ・・・・・ みなみ
ネコヤナギ(猫柳)
日本では、
北海道~九州にかけて、
山野の日当たりの良い河岸や川辺に叢生します。
樹高は、1~3m。
雌雄異株です。
若枝には、長い軟毛が密生しますが、後に無毛となります。
葉は、柄を持ち、長楕円形で先がとがり、鋸歯があって、互生します。
裏面は白っぽく、軟毛が密生します。
葉のもとに、托葉(たくよう)があります。
葉芽は、小さく、円錐形で先がとがり、伏生(ふくせい)します。
花芽は、合わせ目のない1枚の硬い赤褐色の芽鱗につつまれ、
大きく、卵形で先がとがり、互生します。
花期は、3~4月。
花は、葉に先立ち、銀白の絹毛を密生した細長い楕円状の花穂を上向きに付けます。
雄花の花穂は、雌花に比べ毛が多く大きめで、
雄蕊の橙色の葯(やく)から黄色い花粉を出します。
果実は、5~6月、灰白色に熟して2裂し、
中から毛の生えた種子を出します。
早春、銀白色に輝く花穂の美しいことから、
庭木や花材として用いられています。
「猫柳」は、川端に生育するところから、
江戸時代まで「川柳(かわやなぎ)」と呼ばれていて、
明治以降「猫柳」の名が定着し、
現在はカワヤナギと言うとネコヤナギとは異なる別種であり、
まぎらわしさが生じています。
名は、猫の尾を思わせる長い毛の花穂から付いたそうです。
別名 : エノコロヤナギ (狗尾柳)・カワヤナギ (川柳)[同名異種あり]
2011/02/25 撮影…ピンク色のネコヤナギ