クリスマスイブの前日、ミモロは、夕方、近所へお買い物に出掛けました。

三条通を、蹴上方向に続く緩やかな坂道をショッピングバッグを抱えてお買い物。
向かったのは、ミモロがよく通う「肉の荒井亭」。

大手のマーケットに押され気味の肉屋さん、でも京都には、まだ個人商店のお肉屋さんが各町内にあります。

お店には、大正8年と書かれた古い看板が。
「ミモロちゃん、いらっしゃいー。何にしますか」といつも優しい笑顔で迎えてくれるのは、この店の4代目となる荒井さん。粟田神社の大祭では、剣鉾のさし上げで活躍する方で、ミモロは、京都に来てから、京都の風習、昔の岡崎エリアの様子や、お寺や神社のことなどを京都のことを、いろいろ教えてもらっています。

「あのー今日は…」と、ミモロは、ガラスケースの中のお肉を見まわします。


美味しそうな牛肉が並ぶ中、この日ミモロが目を止めたのは、骨つきの鶏もも肉。

実は、ミモロは、つい最近、骨付きのグリルチキンが食べたくて、いろいろなレストランに電話を掛けたのですが、今、骨付きのグリルチキンをメニューに載せているところは、見つかりませんでした。もちろん骨のないグリルチキンは、多くのお店でやっています。「骨付きは、姿がちょっとグロテスクだし、皮を嫌う人が多くて、人気がないです。それに調理にかなり時間がかかってしまいます」とのこと。
「えーあのパリパリの皮が美味しいし、骨のまわりのお肉を食べるのがいいのにー」とミモロ。
「あのー骨つきの鶏もも肉1本ください」「そのままでいいんですか?」「え?何?ほかに何があるの?」とミモロ。
「うちの自慢のから揚げがあるんですよ。美味しいって人気なんです」と荒井さん。
「えーダイナミック!もも肉をまるごとから揚げにするんだー。じゃ、それお願いします。でも、今、買ったら夕ご飯までに冷めちゃう…」ということで、夕ご飯の直前にもう一度来ることに。
「でも、今、ちょっとお腹空いてるし…そうだ、コロッケ1つください!」とお願いします。このお店のコロッケは、評判で、いろいろなブログでも紹介されています。
「ハイ、ちょっと待ってくださいね。今、すぐ揚げますから…」と、
このお店では、お客さんが注文してから、揚げてくれます。だから、いつもアツアツの出来立て…。

ミモロが、注文したたったひとつのコロッケでも、丁寧に衣を付けて、油の中へ。


「あれ、ミモロのコロッケ…」油の中でジュワジュワと音を立てているコロッケをジッと見つめます。
「こんにちは、ミモロちゃんいらっしゃいー」と、振り返ると、そこには荒井さんの奥様とお嬢さん。

荒井さんの家族とは、ミモロは、すっかり顔なじみ。荒井さんのお家は、ご両親と奥様と3人のお子さん、そして近所に住む妹さんと、いつも和気あいあいで楽しそうな雰囲気。ミモロは、そんなご家族が大好きなんです。
ご家族と話をしていたら、「ハイ、できましたよ」と揚げたてのコロッケがミモロの前に。なんと75円というお値段。
「わー美味しそう…」

ミモロは、「また後で、鶏もものから揚げ取りに来まーす」といいながら、バッグにコロッケを入れて、家路を急ぎます。

「これ、美味しんだよねー」と、お肉が入ったコロッケは、ほどよい味付けで、ソースいらず。

このコロッケ、観光客にも大人気。特に英語版や中国語版の京都のガイドブックにも紹介されているため、外国人観光客が買って行きます。
さて、夕闇が迫る頃、ミモロは、待望の骨付き鶏もも肉のから揚げを受け取りに、再び「荒井亭」へ。
「ミモロちゃん、いらっしゃいー。今、揚げているとこだから、ちょっと待てってくださいね」と、荒井さんのお母様。

大きな鶏もも肉が、油の中を泳いでいます。「ハイ、できました。蜜ぬりますか?蜜を付けると美味しいですよー」と。
揚げたての鶏もも肉に、蜜を刷毛で。美味しそうな匂いが湯気と共にあたりに漂います。

「ハイ、落とさないようにねー」と荒井さんの妹さんがミモロに出来立てのから揚げを袋にいれて渡します。

「いただきまーす!ヨイショ、ヨイショ」というと、大きな袋を引きずりながら、急ぎ足で、三条通を家を目指して歩くミモロ。「早く食べたいー」

家に戻るやいなや、お皿に出した鶏もも肉のから揚げ。香ばしいにおいがミモロの鼻をくすぐります。

ガブリ…チキンに噛みつくミモロ。まるで野生に目覚めたよう。

口の周りを油で光らせながら…「うーん、このカリカリの皮が美味しい。中のお肉はジューシー、こういうの食べたかったんだー」と、嬉しそう。から揚げと言っても、普通のから揚げより、衣が少なく、あっさりした感じ。本当に美味しい一品です。
クリスマスと言えば、なぜか日本ではケーキと鶏もも肉が定番。「肉の荒井亭」では、クリスマスシーズンだけ、このから揚げが登場します。生の鶏もも肉は、1本320円。から揚げは、350円です。絶対から揚げをおすすめ。今年は、毎年の人気から、販売期間を延長。クリスマスすぎでも、しばらくは注文できるそう。クリスマスにピッタリの味。たくさん注文する場合は、あらかじめ電話で予約しておくと、あまり待たずに受け取れます。
ペロリと1本食べた後で、「まだ、明日も売ってるっていうから、今度は、両足食べよう…」と、ネコらしい本性丸出しのミモロです。
*「肉の荒井亭」京都市東山区三条通白川橋東入ル4-中之島町185 電話075-771-3797 10:00~19:30頃 水曜休み
三条通を蹴上の方向へ。粟田神社の向かい側です。

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