ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「京都市歴史資料館」のテーマ展[京の地蔵盆」。14日はナイトミュージアム&ギャラリートークを開催

2020-08-13 | 博物館・美術館

「京都御苑」の東、寺町通が丸太町通と交差する北側にある「京都市歴史資料館」。京都の歴史に関する多方面の資料保存と活用を図り、京都の文化向上、発展に寄与する目的で、昭和57年に開館しました。
「今、やってるんだよ~」

現在、9月24日まで「京の地蔵盆」というテーマ展が行われています。 (9:00~17:00 月曜・祝日休み 入館無料)
  
入口エリアで、ミモロは、資料を頂いたり、ビデオで、まずはお勉強…・

展示会場には、「地蔵盆」の祭壇が展示されています。


さて「地蔵盆」というのは、京都を中心に近畿エリアで行われる夏の子供たちのためのご町内のお祭りです。
「京都に暮らすまで、全然知らなかった~」というミモロ。そう、関東では、ほどんと行わないもの。

このお祭りの主役は、町内にいらっしゃるお地蔵様と子供たち。
京都の町を歩くと、いろいろなところに小さなお堂があって、その中にお地蔵様が祀られていることに気づきます。
8月24日ごろになると、いつも小さなお堂の中にいらっしゃるお地蔵様はお化粧をしたり、そばの祭壇にお出ましになったり…その前で、子供たちは、ゲームをしたり、おやつを食べたり、数珠回しやくじ引きなどをして楽しむのです。
「夏休み最後の週末のお楽しみだね~」とミモロ。京都の子供たちにとっては、夏休みの楽しい思い出になっているよう。

今回、展示されるのは、京都の町中、中京の下高倉町の地蔵盆のお地蔵様、お堂、祭壇です。
ミモロは、特別、展示されている数珠や鐘を体験させていただきました。「南無阿弥陀仏」と唱えながら、数珠を隣りの人に送ったり、鐘に合わせて唱えます。
 

「なんでここに展示されてるの?」とミモロ。
「実は、このお地蔵様や祭壇は、ここ「京都市歴史資料館」に寄贈されたもの。近年、町の開発などが進み、お地蔵様を祀る場所がなくなったり、また、主役である子供たちがご町内にいなくなっているという事情が、京都各所で起きています。それで、地蔵盆関係の資料などが、ここに寄贈されるケーズが増えているんですよ」と、資料館の田頭さん。


マンションの建築などで行き場を失ったお地蔵様などが、お寺に寄贈されるケースも多く聞かれます。
また、反対に、子供が増えた団地やご町内では、「地蔵盆」のために、その時だけ、お地蔵様を貸し出すケースもあるのだそう。
なんらかの形で、伝統の行事を続けようという京都の人の思いも伺えます。

展示会場には、古い資料もいろいろ。そもそもお地蔵様は、子供たちを守る仏様。そこには、江戸時代の貴重な資料が展示されています。
 
「これ、15歳でなくなった女の子のために奉納されたものだ~」とミモロ。昔、子供の死亡率はとても高く、幼くして命の落とすことを親は、何より心配していたのです。だから、子供を守るお地蔵様を町内に祀り、毎日、お祈りをする・・・今も、京都では行われる慣習です。

「今は、栄養状態もいいし、医療体制もあるから、子供の死亡率低下してるけど、昔は大変だったんだね~」とミモロ。
子供は、宝・・・ご町内の人たちが、みんなでその地域の子供たちの成長を楽しみに、協力しあっていたことがわかります。
近年の「地蔵盆」の様子は、長年、「地蔵盆」の撮影をなさっている写真家の神谷潔さんの写真から伺えます。
 
「楽しそう…」今年は、コロナの影響で、中止というところも多いそう。夏休みの楽しみが、またひとつなくなってしまったこの夏です。

「あんまり地蔵盆のこと、知らなかった・・・」とミモロ。
京都市の「京都をつなぐ無形文化遺産」に選定された「地蔵盆」。観光客には、ほとんど知られていない京都の町の小さなお祭り。でも、その意味を知るとき、京都の人々の暮らしや思いが伝わってきます。


「京都市歴史資料館」では14日は、夜20時まで開館するナイトミュージアムが行われます。そして18時30分から「地蔵盆」に関する説明などが聞けるギャラリートークもあります。ぜひ、夏の京都の風習のお話を聞きに行ってはいかがでしょ?


「これ、ミモロのお顔のお地蔵さまだって・・・フフ・・・可愛い~」職員の方が描いてくださったミモロ地蔵です。「おうちで地蔵盆しよう~」とミモロ。


さて、「京都市歴史資料館」は、京都のさまざまな歴史的資料を多数収集し、研究が行われています。
 
昭和が薫る館内では、いろいろな京都の風物、祭礼などを開設した映像コーナーも自由に利用できます。

「わ~本がいっぱい・・・ここ図書館?」とミモロ。資料閲覧室では、京都歴史、文化関係の書籍が自由に閲覧できます。

「ここは、国内外の日本文化研究者が訪れて、研究資料を閲覧してゆくんですよ」と教えてくださった研究員の方。
 
奥の棚には、ズラリと古文書複写資料が並んでいます。
「この資料は、何年もかけて、研究員などが収集したもので、今や失われてしまったものも多数ある貴重な資料の複写なんです」と。

「京都でもここを訪れる人、多くないよね~」とミモロ。はっきり言って、地味な存在の資料館。でも、ここで行われている研究や資料収集は、未来へと伝えるべき宝物なのです。

今回も展示と共に、感激したのが、頂いた資料。
時代と共に変化する町の様子、そして子供の数の減少で、昔ながらの暮らしの中の祭りも変わりつつあることを、改めて知る資料です。

時代を象徴する宝物や大きな祭りは、多くの支援などが集まりやすく保護されるケースが多いのですが、人々の暮らしに関わる、ごく普通と思われるものは、時代の波に流されて失われてしまいます。実は、こういう人々の暮らしにあるものこそ、外国人観光客には、興味深いものなのでは?

「あ、来館記念のスタンプがある~ブチュー」
 

いろいろ教えていただいたミモロでした。


*「京都市歴史資料館」の詳しい情報はホームページで


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