熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

東芝撤退

2008-02-17 22:39:24 | Weblog
東芝は次世代DVDの規格として普及を進めてきた「HD―DVD」について、生産・販売からの撤退も含めた事業見直しの検討に入ったそうです。
次世代DVDを巡っては、HD―DVDと、ソニーや松下電器産業が推進する「ブルーレイ・ディスク(BD)」が主導権争いを演じてきましたが、米国の映画大手や量販店などが相次いでBD支持に回り、HD―DVDは窮地に追い込まれていましたが、ついに東芝が撤退を決めたようです。

かつて東芝は、ビデオ方式の規格競争でVHS方式に敗れた苦い経験がありますが、今回も敗れることになりました。
撤退すれば東芝の損失は数百億円に上るとみられています。

標準規格争いは、企業にとって生死を分けるほど熾烈なもので、開発担当者の努力は計り知れないものがあります。
かつて企業の研究開発部門に所属して、競合会社と新製品の市場導入競争をしていた私には、東芝の技術者の無念さが良くわかります。

今回の、次世代DVDの規格競争を、ユーザーの立場から見て迷惑だという意見もありますが、ユーザーにとって悪いことだけではなく、良い点もあると思います。

規格競争があるからこそ、品質・機能の向上と価格低下が図られるので、始めから規格が統一されていては、現在のDVDの品質・機能・価格を実現することは困難だったと思います。

技術は競争することにより進歩するという性質を有するので、早い段階で規格統一を求めることは、ユーザーにとって良い結果にはならないと思います。

かつて研究者であった時代に想いを馳せながら、今後も健全な技術競争が展開されることを願っています。




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