徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:辻村深月著、『家族シアター』(講談社文庫)

2018年04月29日 | 書評ー小説:作者サ・タ・ナ行

『家族シアター』(講談社文庫)は家族をテーマにした短編集で、収録作品は7編。

真面目な姉をうっとうしく思う妹。趣味の合わない姉に何かとバカにされつつ黙って甘受する弟。真面目で頭のいい娘を理解できない母。息子の夢を守ろうとする父。宇宙に夢中な妹を理解できない姉。微妙な年頃の孫娘の扱いに戸惑う祖父。息子の誕生と共に両親や祖母との距離が近くなったとしみじみする父。

どのエピソードにも兄弟姉妹関係や親子関係の棘がありますが、それでも家族の絆が生暖かく存在し、ちゃんと歩み寄れてる、ほっこりするホームドラマです。ちょっとうらやましくなるくらいですね。

うちはどちらかというと家族関係が希薄ですし(まあ母親との衝突はかなりありましたが)、弟とは年が離れているので確執ができるような子供時代を共有することもありませんでしたし、子供もいないので、「そうそう」と共感できるようなお話は一つもなかったのですが、こういう心温まるお話は嫌いではないです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村


書評:辻村深月著、『鍵のない夢を見る』(文春文庫)~第147回(2012上半期)直木賞受賞作

書評:辻村深月著、『かがみの孤城』(ポプラ社)~生きにくさを感じるすべての人に贈る辻村深月の最新刊

書評:辻村深月著、『ツナグ』(新潮文庫)~第32回吉川英治文学新人賞受賞作

書評:辻村深月著、『ハケンアニメ!』(マガジンハウス)

書評:辻村深月著、『盲目的な恋と友情』(新潮文庫)

書評:辻村深月著、『島はぼくらと』(講談社文庫)

書評:辻村深月著、『太陽の坐る場所』(文春文庫)

書評:辻村深月著、『子どもたちは夜と遊ぶ』上・下(講談社文庫)

書評:辻村深月著、『スロウハイツの神様』上・下(講談社文庫)