徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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ヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」ケルン公演

2018年06月29日 | 日記

ちょっと日にちが経ってしまいましたが、6月28日(木)にケルンのシュターテンハウスというオペラハウスでジュゼッペ・ベルディの最後のオペラ作品「ファルスタッフ(Falstaff)」を見てきました。このオペラの原作はシェイクスピアの「ウインザーの陽気な女房たち」という喜劇。今日でも上演される数少ない喜劇(コメディア・リリカ)です。粗筋はウイキペディアをご覧ください。

ここ最近はケルンのオペラ座の公演は演出が気に入らないことが多くて避けていたのですが、6月28日は「オペラデー」ということで全席破格の16.50ユーロ(15ユーロプラス前売り手数料1.50ユーロ)ということだったので、「それなら」と前売りを買った次第です。実際そのように考えた人が多かったらしく、会場はいつになく満杯でした。平日でオペラがそこまで盛況になることは今まで見たことなかったので、この特別割引のせいなのだろうと思います。

今回は舞台も演出も変に現代風アレンジされることなく、割とオーソドックスに上演されたようで、不快になることなく楽しめました。

絵が描かれた仕切り幕が下りている時はファルスタッフが入りびたる酒場。

この幕を取ってテーブルが全部見えている時はフォードの庭園またはウインザー公園(第3幕のみ)。

喜劇ということで、美しいアリアとかはないので、あまりオペラを見ている感じがしなかったのですが、面白かったです。

演出で面白いなと思ったのは、コーラスが客席の後から出てきたり、ファルスタッフを追い回すウインザーの男たちが客席の通路を通って行ったりという客席を舞台の一部にしてしまっている所でしょうか。

ただ、会場の問題なのですが、きちんとした作りの客席ではなく階段などが組み立て式で、人が通るときしんでしまうため、雑音が多くなるのが残念です。シュターテンハウスは、オッフェンバッハプラッツにある本来のオペラ劇場の修理が完了するまでの仮のオペラ劇場として使用されているだけのイベント会場だから、オペラ上演のために最適化されてないのですね。ホールが3つあり、ホールを繋ぐ廊下に変なオブジェが飾ってあるあたり、オペラ劇場的情緒が一切ない感じです。

 

MUSIKALISCHE LEITUNG WILL HUMBURG / INSZENIERUNG DIETRICH W. HILSDORF / BÜHNE DIETER RICHTER / KOSTÜME RENATE SCHMITZER / LICHT ANDREAS GRÜTER / CHORLEITUNG ANDREW OLLIVANT / DRAMATURGIETANJA FASCHING