わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

レールは外れてみなきゃいい景色は見えないよ~民川裕司3部作をイッキ見した

2019-02-25 23:06:24 | キッカワコウジ




完全休養日(半分倒れてたw)だった日曜日、長年のファンの思いが通じてやっとDVD化された民川裕司3部作をイッキ見。


35周年の今、見てよかった。武道館2Daysで晃司ラブ度が上がっている今、3本イッキ見してよかった。本当に、今、このタイミングで見てよかった。
これ、率直な感想。


荒唐無稽なストーリーだったり、そりゃー無理があるでしょ!って設定や「そりゃないなー」って演出もたくさんあるんだけど、バブルに向かって世の中がキラキラしていた時代の息遣いというか、勢いというか、明るさで溢れてる「すかんぴんウオーク」。1年も経つとこんなにしゅっと引き締まった顔になるんだなぁ、スターになっていくってこういうことなんだなーってしみじみしちゃった「ユー・ガッタ・チャンス」。ほんの1年なのに、天真爛漫で一直線な少年から憂いとあきらめと刹那が漂うオトナになった「TAKE IT EASY」。
3作とも「民川裕司」が主人公で、同じ「民川裕司」なはずだけど、すべて別人にも見える。時間の経過や取り巻く環境、設定も変っているけど、でも、やっぱり貫く芯は一緒っていうね。35年経って、別人みたいに見えるけど、晃司は晃司のままだっていうのと一緒だね。


公開されたときにリアルタイムで見ていた。そしてその後、だいぶたってから(おそらく20周年の頃)ビデオやリバイバル上映なんかでも見た。
晃司のプロモーション用の映画であることは間違いないんだけど、35年経って見ると、いろんな感情や思いが渦巻く。


すかんぴんウォークは、伸びやかで、いきがっているけど憎めない民川裕司がいい。なんていうかねー、育ちの良さというか、愛を受けて育ってきたんだなーって感じられる場面、風合いがそこかしこにあって、それがよかった。家出してきた裕司に、上京=出張するついでに会いに来た父親が、細かいことは言わずに「気が済んだら帰りは飛行機で帰ってこい」って航空券を渡すところとか、相当ぐっと来た。


ユーガッタチャンスの中の有名なセリフ。
「レールははずれてみなきゃいい景色は見えないよ」
このセリフは民川裕司であり、吉川晃司の真骨頂って感じだけど、きちんと映画を見ると前後の文脈はいろいろと考えさせられる。才能に溢れていて、規制に縛られたくない若者は、敷かれたレールは鬱陶しいし、そこから外れて自分の足で歩きたいと願うものなんだけど、マネージャーである柴利夫が言う。

「だけど今は、決められたレールをやみくもに走るしんどさを身体で感じなきゃいけない時期なんだよ」
「そりゃ、レールから外れるのはカンタンだぜ。だけど元のレールに戻るのは、そうラクじゃない。」


退屈な大人のセリフにも聞こえるけど、なんだかこの言葉にぐっと来た。そう、そういう時期も必要だし、耐えた先にはきっと何かがある。なんでもかんでも自由にやりたいようにやるだけがいいってわけじゃない。大人がそういうことを教えていくって結構だいじだ。


TAKE IT EASYの中では、地方都市のやんちゃな若者を庇護する青井(黒沢年男)がこんなことを言っていた。
「私はこの街が大好きなんですよ」
「彼らは私の弟みたいなもんなんです。この街を出ないで、ここにいてくれる。私は、彼らが本当に可愛いんです」

ここ、今までだったら、なんてことなく聞き逃していた。東京を離れて地方都市に暮らしているからなのかもしれないけど。「この街を出ないで、ここにいてくれる。」 なんか切ない。都会の方が楽しし、可能性もたくさんあるのはわかってる、それでも出ないでここにいてくれる。そのへりくだった表現がなんとも切なかった。
常識はずれなやり方や理不尽な思いでこの街のスターを守ろうとする彼らが、なんだかちょっと切なくて、最後、この街に残る決意をした真弓の気持ちが切なくて、尊重した裕司が切なくて、なんだかしんみりしちゃった。


今回の3部作には、特典として映画公開時のパンフレットの復刻版がついていた。そこに書かれていた晃司のメッセージが、今と全然変わっていない。ぶれなさすぎw


頑張っていろいろ練習したり、勉強したりして、何かを創って、
創りあげたら、また、それをぶっ壊して一から始める、
そうすることによって初めて、いろいろに成長していくのではないか



守破離じゃねぇ。
ここのところ、ひとり「35周年を振り返る月間」開催中につき、過去のDVDやらCDやらを引っ張り出して視聴している。ファンのひいき目ではあるけれど、バージョンアップっていうか、OSを入れ替えるっていうか、「変わっている」感を実感する時期がある。20周年のあとに、ジャズプレイヤーたちとセッションやったり、ばんちゃんやSATOKOちゃんといった若いドラマーと一緒にやったりしたり、無人島に行ったり、ミュージカルやったり、Wild Lipsツアーでバンドメンバーを変えたり、それは後から意味づけされた出来事だったかもしれないけど、そうやって安穏と定住しないで、チャレンジしていくってことが自然にできる人なんだなぁ、と。


35年も経つと、見た目的には別人感満載で、最近の晃司はターミネーターみたいな肉体に、シルバーヘアーが似合う有名人第1位的な渋さが売りだったりするけど、今の晃司と同じ動きだー、とか、こういう喋り方今でもするよねーとか、萌えポイントもたくさんあって、3本イッキ見、本当に贅沢なひと時だった。いや、これ絶対、3本続けてみるのがいいよ、おススメです。
次は50周年のときにイッキ見しよう(笑)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする