みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

商売上手

2008-08-26 | people
お気に入りの生成りのカーディガンを
膝の上に置いて食事をしていて、
ほうじ茶をこぼしてしまった。

右胸の少し上のあたりに、茶色いシミが。
うーん、油汚れって意外とラクに落ちるんだけど、
お茶って難しいんだよな。

近所のクリーニング屋A店に持っていったところ、
なんだかものすごく横柄なおばちゃんが出てきて、
私が「ここにシミがあるんですけど……」と指差したら
「うち、シミ抜きやってないんですよっ」
激しくイヤな顔をされた。
な、なんだ? 
私、なんかアンタを怒らせるようなこと言った??
そしてそのおばちゃん、カーディガンにちらっと目をやり、
「脇ジミって、落ちないんですよねえ~!」
と、汚らしいものでも見るような目つき。

小さくプチっ……

なんなんだよ、その態度!
だいたい、こんなところにワタシの脇はない!!

「これ、脇ジミじゃなくて、お茶をこぼしたんです」
と、なるべくクールに言い放ち、
カーディガンを持って店を出た。
こんな店、もう絶対行かない。
もしかしたら、感じ悪いのはこのおばちゃんだけで、
他の店員さんは一生懸命ココロを尽くしているのかもしれないけど、
この先私がこのドアを開けることはもうないでしょう。

で、少し離れたB店へ。
若い女の子がまた困ったような顔で
「うち、シミ抜きはやってないんです……」
うーん。
仕方なく、またさらに足を伸ばしてC店へ。

C店の店員さんも、A店のおばちゃんと同じくらいの年齢の
女性だった。
カーディガンをていねいに広げて、シミをチェックしたあと、
「何のシミかわかりますか?」と聞かれた。
ほうじ茶です、と答えると、それならやはりシミ抜きしないと
落ちないという。
「すみません、うち、シミ抜きやってないんです」
と、丁重に謝られたので、ここでもダメか~と帰ろうとしたら

「でも薄いし、縫い目の上とかじゃないから、
もしかしたらシミ抜きじゃなくてもドライクリーニングで
取れるかもしれません。この部分にお茶をこぼしたということを
きちんと業者に伝えます。やってみる価値はあると思いますが、
それでもやっぱり取れなかったら、申し訳ありませんが
ご了承いただけますか」

こんなふうに言われたら、「じゃあ、お願いします」と
言ってしまうのが消費者じゃないでしょうか。

で、結果的にやっぱり少し残ってしまったんだけど、
それでも全然悲しくなかったし、
気持ちよくお金を払えたし、
「またここでお願いしよう」と思った。

引き取りに行ったときは違う人が対応してくれたんだけど、
袋に「右・胸元にほうじ茶のシミ」
「もし取れなかった場合のお客様了解済み」
などと書かれたメモが貼ってあるのが見えた。
店内での伝言も完璧。
なんて気持ちのいいクリーニング屋だ。
これだって、もしかしたらたまたま
心遣いのできるスタッフに当たっただけで、
A店のあのおばちゃんみたいな店員も
いるのかもしれないけど。

仕事って本当に、
ひとりひとりの対応、
ひとつひとつの対応が、
すべてを決めるんだなあと実感。
客なんて、一個気に入らないことに遭遇すれば
もう二度と利用しないって決意しちゃうもんなんだよな。
接客業だけじゃない。どの業種でも通じることだと思う。
私も気をつけようっと。

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