みちくさ茶屋

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世界一美しい本を作る男

2014-03-02 | movie


「世界一美しい本を作る男」という映画を観た。

ドイツの出版社シュタイデル社を率いる、
ゲルハルト・シュタイデル氏のドキュメンタリー。
彼はクライアントと徹底した打ち合わせを繰り返し、
編集、レイアウト、印刷、製本、すべて一貫して行う。
紙一枚、インクの種類に至るまで、一切の妥協をしない。

興味深いドキュメンタリーだったのだが、
「俺は商品じゃなくて作品を作ってるんだ!」
という言葉に、ちょっとした引っ掛かりというか、
そのまますとんと受け入れられない違和感のようなものをおぼえた。


彼の言うところの商品と作品の違いはなんだろう?
芸術性ということ?
でも「商品」として世の中に受け入れられて売れなければ、出版社は成り立たないし。

と思っていたら
「売れる本も作るよ。そのお金で好きな本を作る」
とも言っていて、うーん、ということは、「売れる本」が彼の「商品」の定義?
「作品」は売れなくてもいいという前提なのかな。

などと考えながらガンコオヤジの職人技を見ていたのだが、
ラストでいろんな刷り上がりのゲラを並べて
「こっちが○○で、こっちが△△のインクを使ってるんだ。
あそこの□□のインクが一番いい匂いがするだろ?」
と言ってるのを聞いて
「あー、そこはわかるよ!」とうなずいてしまった。
そういう本の愛し方って、共感するなぁ。


ところでこの映画、横浜の「ジャック&ベティ」という映画館で見たのだが、
こういうミニシアターってすごくすごく久しぶりだった。
どこか奥のほうにしまいっぱなしだった感覚をちょっと思い出して、
たまにはこういうの、ちゃんと引っ張り出さないとなと思った。

フライヤーコーナー、ちゃんと見てくるの忘れた。残念。


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