34「陰日向に咲く」劇団ひとり 充実度★★★☆☆
芸人、劇団ひとりの処女作。
短編集なんだけど、登場人物がちょっとずつ重なっているという手法。
全体的に文体の粗さや設定の甘さが目立ったし、よくあるストーリーばっかりなのに、
ひとつひとつに手応えがあった。
それは、文章に勢いがあるからだと思う。
編集者がどれくらい手を入れたのか知りませんが、作家としての
力はじゅうぶんではないでしょうか。
私はOverrunという作品が一番好き。書き出しからぐぐっと引き込まれた。
彼がコンビを解散後「劇団ひとり」として出始めのころ、
サングラスをかけたみそっ歯の変な男を演じるコントがあったのだが、
(「あのよ~、俺はよ~」っていうやつ。ビジュアル系に転向したのか、
あれ最近やらないなあ)そんな感じの語り口調。
残念なのは、途中からなんだか展開が逸れたというか、
本題が最後だけにポンと置かれた感が。
なのに、ラストは泣けた。正直、まさか泣ける話だとは思っていなかったので、
電車の中で読んでいてやばいことになった。
もし、劇団ひとりの作品と知らずに読んだら、
あんまり楽しめなかったかもしれない。
でも、それを前提に読んでいたので、登場人物がすべて劇団ひとりに
なってしまった。テレビドラマを見てるみたいに、画像が浮かぶのだ。
どの話もぜんぜんタイプの違うキャラなのに、どれも、やっぱり劇団ひとり。
文字どおり、彼はたったひとりの劇団なんだな、と思う。
このあたりは、幻冬舎のねらいどおりなのかも?
35「鬼平犯科帳(四)」池波正太郎 充実度☆☆☆☆☆
仕事で読みました。
もう本当に、陵辱と惨殺ぬきで池波正太郎は読めないのだろうか?
むごいシーンに胸が痛むばかりですわ。
しかも、前回の鬼平は泥棒に甘すぎだったけど、今回は女の罪人に甘すぎ。
大金を盗み、女郎屋から逃亡し、あげくのはてに盗んだ相手を絞殺。
結局女は自白したのだが、鬼平は事実を知っていながら、
「おまえ、夢でも見てるんじゃないか」と言って釈放してしまうのだ。
いくら彼女がかわいそうな身の上だからって、それとこれとは別では?
なんでこんなに人気のある小説なのかわからん。
全部で何巻あるんだろ、と思って確認したら、12巻……うう、あと8冊……。
でもこれも仕事なので、ありがたく読ませていただきます!
芸人、劇団ひとりの処女作。
短編集なんだけど、登場人物がちょっとずつ重なっているという手法。
全体的に文体の粗さや設定の甘さが目立ったし、よくあるストーリーばっかりなのに、
ひとつひとつに手応えがあった。
それは、文章に勢いがあるからだと思う。
編集者がどれくらい手を入れたのか知りませんが、作家としての
力はじゅうぶんではないでしょうか。
私はOverrunという作品が一番好き。書き出しからぐぐっと引き込まれた。
彼がコンビを解散後「劇団ひとり」として出始めのころ、
サングラスをかけたみそっ歯の変な男を演じるコントがあったのだが、
(「あのよ~、俺はよ~」っていうやつ。ビジュアル系に転向したのか、
あれ最近やらないなあ)そんな感じの語り口調。
残念なのは、途中からなんだか展開が逸れたというか、
本題が最後だけにポンと置かれた感が。
なのに、ラストは泣けた。正直、まさか泣ける話だとは思っていなかったので、
電車の中で読んでいてやばいことになった。
もし、劇団ひとりの作品と知らずに読んだら、
あんまり楽しめなかったかもしれない。
でも、それを前提に読んでいたので、登場人物がすべて劇団ひとりに
なってしまった。テレビドラマを見てるみたいに、画像が浮かぶのだ。
どの話もぜんぜんタイプの違うキャラなのに、どれも、やっぱり劇団ひとり。
文字どおり、彼はたったひとりの劇団なんだな、と思う。
このあたりは、幻冬舎のねらいどおりなのかも?
35「鬼平犯科帳(四)」池波正太郎 充実度☆☆☆☆☆
仕事で読みました。
もう本当に、陵辱と惨殺ぬきで池波正太郎は読めないのだろうか?
むごいシーンに胸が痛むばかりですわ。
しかも、前回の鬼平は泥棒に甘すぎだったけど、今回は女の罪人に甘すぎ。
大金を盗み、女郎屋から逃亡し、あげくのはてに盗んだ相手を絞殺。
結局女は自白したのだが、鬼平は事実を知っていながら、
「おまえ、夢でも見てるんじゃないか」と言って釈放してしまうのだ。
いくら彼女がかわいそうな身の上だからって、それとこれとは別では?
なんでこんなに人気のある小説なのかわからん。
全部で何巻あるんだろ、と思って確認したら、12巻……うう、あと8冊……。
でもこれも仕事なので、ありがたく読ませていただきます!