道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

12/01 「かにめし」と「柿の葉寿し」

2012年12月01日 | インポート

【かにめし】

駅弁ランキング4位。「かにめし」は、函館本線・長万部駅の駅弁。「かにめし」とは、あらかじめボイルした蟹肉をほぐし、酢飯や白飯、炊き込みご飯などの上に散らしたり、ご飯の中に混ぜ込む日本の料理である。長万部駅に拠点を置くレストラン・ドライブイン・佃煮製造業者で製造している。駅弁「かにめし」の始まりは、戦後の食糧難が関係している。この業者は、元々長万部駅で弁当販売をしていたのであるが、戦後の混乱から、この創業者は食料集めに奔走していた。しかかし、その留守を守っていた創業者の妻が、この地方に大量に残る蟹を茹でて駅で販売したらとうかというアイデアを発し、1947年に「煮蟹」を販売することになった。この「煮蟹」というのは、蟹を丸ごと茹でて新聞紙に包んだだけの料理であったが、すぐに大ブ-ムとなり、駅の売り子には人々が殺到し、列車の中は蟹の香りに包まれていたという。しかし、この人気に伴い、問題点も多くあり、改善の必要があった。この人気の「煮蟹」は水揚げされる夏場しか販売できないということ。また購入者は殻を外す手間がかかり、さらに殻が車内に散乱してしまうという問題点である。まず年間通して販売できるように、当時としては珍しい、大型冷凍庫を入手し、夏場に採れる蟹の鮮度を落とさないことに成功した。次の問題は食べやすさである。駅員との試食会を何度も行い、試行錯誤の末、味付けした蟹肉を大量ご飯の上に載せた弁当「かにめし」が、1950年に完成した。この食べやすくなった「かにめし」は、瞬く間に大ヒットし、主力商品の煮蟹から、年間通して流通できる、「かにめし」へスライドさせる事に成功したのである。新聞社主催の駅弁コンク-ルや、1960年代中頃から始まる駅弁大会ブ-ムに便乗し、この「かにめし」は全国的な知名度を得る事になった。

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【柿の葉寿し】

駅弁ランキング5位。「柿の葉寿し」は、和歌山線・吉野口駅の駅弁。この「柿の葉寿し」は、和歌山県の他にも、奈良県、石川県の郷土料理とされており、主な食材は、鯖、鮭、小鯛などが両地域で使用されるが、和歌山県と奈良県では穴子や椎茸をネタとして使用しているが、石川県の「柿の葉寿し」は作り方もその形状も異なり、主に鰤をネタとして使用している。江戸時代に生まれたこの「柿の葉寿し」、和歌山県と奈良県を横断し、紀伊水道に注ぐ大河・紀ノ川があり、「柿の葉寿し」はこの紀ノ川の上流を産地として生まれたといわれている。江戸時代には、車や船はなく海から和歌山県の橋本周辺に運ばれてくる物資は、陸路または紀ノ川の水路を使って運び込まれていた。この様な長い道中、魚などの生ものを運ぼうとしても、簡単に腐ってしまい、おいしい海の幸を運ぶことが出来なかったことから、考案されたのが「浜塩」言われる保存法であり、これは大量の塩を魚の腹に詰め込み、魚が傷むのを遅らせる方法である。このように塩漬けした魚に、米合わせ、最後に殺菌作用のある柿の葉で包むのであるが、紀ノ川沿いの地は、古くから豊富な水源を活かした柿の産地として有名であった。そこから塩で締めた鯖に酢飯をあわせ、柿の葉で包むというスタイルが完成し、「柿の葉寿しが生まれたのである。そして現在、押し寿司の一種として人気を維持している。

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