細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

先の大戦を考える

2007-08-15 22:45:31 | 沈思黙考
今年も8月15日がやってきました。セミの声も盛りを迎えるこの日の正午、日本中が一瞬静まりかえります。

戦争を知らない、豊かな時代に育った私にとって、8月15日は先の大戦について考えるかけがいのない日です。

今日は、恒例の富士市戦没者追悼式典に出席し、戦没者への弔いと、ご遺族のご労苦に対する感謝の気持ちを表して来ました。

この時期に合わせて、毎年、戦争に関する本を一冊読むことにしています。今年、私が出会ったのは「巣鴨の生と死」(中公文庫)でした。著者は、東京裁判で戦犯とされた人たちを送った教誨師・花山信勝氏です。

東条英樹氏、広田弘毅氏、板垣征四郎氏などが、最期に残した遺言や歌、死を受け入れた姿などが克明に記録されています。国家、国民、そして家族に対する思い。記述は淡々としていますが、彼らの想いの強さが伝わってきます。

「戦禍を受けた同胞を思う時、私の死刑によっても責任は果たされない。全く相済まないと思っている」東条氏の遺言の一部です。政治家が取るべき責任とは何か。考えさせられる言葉です。

東京裁判で極刑になった中に、元陸軍大将・松井石根氏がいます。熱海市伊豆山には、氏が、南京、上海などで亡くなった方々を弔うために自宅上の山中に建てた興亜観音があります。巣鴨での処刑が行われた際、GHQは、遺族に遺骨を返すことを認めませんでした。興亜観音には、彼らの遺骨を集め、弔ったという秘められた歴史があります。

元選挙区である熱海を訪れる際に、時々、興亜観音に上り、手を合わせるようにしています。これが、歴史を背負って逝った政治家に対する私なりの弔いの作法です。


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