細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

矛盾と可能性の大国中国、そして日本

2007-12-10 00:12:29 | 外交
西安での日程を終え、帰国するのみとなりました。


もともとも、ガス田や環境問題で、中国に対して厳しい政策立案にかかわって来た私が、これほど中国と付き合うことになろうとは、予想していませんでした。思い起こせば最初の訪中は、2年前のちょうどこの時期の前原訪中団でした。前原さんの「中国脅威論」もあり、要人との会見が実現しませんでした。北京の風が、やたらと冷たく感じられたものです。

2年間の経験を通じて痛感したのは、国内の状況が外交に大きな影響を与えるということです。総選挙で惨敗した直後の民主党と、力を盛り返しつつあった昨年の小沢訪中。そして参議院選挙で大勝した後の今回。中国側の対応は実に正直です。

個人的なキャラクターやスキルのみで、外交舞台で快挙を成し遂げることは不可能です。政治家の裏づけとなる所属政党の力、そして国力がダイレクトにものを言うのが外交です。極論すると、勝負を決めるのは「何を言うか」ではなく「誰が言うか」です。


今回、同じ時期であるにも関わらずそれほど寒さを感じないのは、中国に対する私の思いが変わったからかも知れません。

社会主義と格差、環境・エネルギー、そして壮大な歴史。中国ほど大きな矛盾と可能性を併せ持った国はありません。戦後の混乱や、公害問題を乗り越えてきた日本の経験は参考になるものの、中国の矛盾は、日本のそれとは比べものになりません。古都・西安は、せっかくの歴史の街であるにも関わらず、息苦しいまでの砂とばい煙に包まれていました。

中国が、いかにしてこの矛盾を解決するのか、我々には見届ける責任と関与する理由があります。中国に民主主義(例えば国政選挙)を導入すべしと主張するのは簡単です。ただ、今の中国全土で選挙をやったら、一体どういうことになるか?中国社会の混乱や分裂は日本にとっては悪夢です。

台湾問題も同様です。分科会では「民主党が台湾の国民投票を認めないことをはっきり表明すべし」と主張する中国側に対して、私は、民主主義国・日本の立場で反論し、中国側に自制を促しました。ただし、我々が主張できるのは、「台湾の一方的な独立は支持しない。中国の台湾に対する武力行使については断固反対する」というところまでです。


歴史や領土問題でギクシャクしがちな日中関係を変える可能性があるのが、エネルギー、環境問題です。私の最大の関心テーマも、ここにあります。ただ、この問題も一筋縄では行きません。

エネルギー資源確保では、日中はライバルでありながら、その裏側の環境問題では、一蓮托生の運命にあります。東シナ海やシベリアからのパイプラインなどの対立するテーマと、中国国内の環境問題をパッケージで議論しない限り、解決の糸口は見つかりません。

中国は、わが国にとっては、否が応でも付き合わなければならない隣国です。この相手と付き合っていくのは、それこそ膨大なエネルギーが必要ですが、政治家冥利に尽きる大きな仕事であることは間違いありません。

この2年間で得た経験を一つの契機に、個人的にも定期的な訪中を計画してみたいと考えています。私は、古都・西安で、日中外交と格闘することを決意しました。


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