細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

民主党らしさ

2012-10-13 20:23:14 | 国会活動

東京都内のNPOを視察してきました。

最初に訪れたのは、新宿区にある東京おもちゃ美術館。日本グッド・トイ委員会が運営しています。玄関には美術館の看板が掲げてあり、その周辺には寄付者の名前が刻まれた木のブロックが敷き詰められていました。指摘されてはじめて気が付くくらいの控えめさが、寄付者に対する敬意の表し方として、好感が持てました。美術館の運営は、もう一つの寄付、すなわち、おもちゃ学芸員の皆さんの「時間の寄付」によって支えられています。親子連れで大賑わいだった今日は、おもちゃ学芸員の皆さんが生き生きと対応しておられました。

昭和初期に建てられ廃校となった小学校の校舎は、おもちゃ美術館に実にマッチしていました。小学校は地域の中心につくられましたので、今でも地域の人たちが集まりやすいところにあります。おもちゃ美術館以外にも、体育館では一輪車教室、グラウンドでは陸上教室など、地域の方々に利用されていました。地域の人たちの寄付で建てられた建物は、今でも愛されています。

町衆によって建てられた京都の番組学校の跡地を利用した国際マンガミュージアムを訪れたのは、ちょうど三年前。東京のど真ん中でも、古くからある共同体が息づいていることを実感しました。

NPOの活動を見に行ったのですが、純粋に楽しんで帰ってきました。実際に遊べる木のおもちゃは、ゲームウォッチもファミコンも買ってもらえず、テレビさえも捨てられ(涙)、父親から手作りおもちゃを与えられて育った私には、懐かしく感じられました。親子が、木の遊具で戯れる姿には、心が癒されました。

 

もう一つの視察先は、海外で活躍するNGOの草分け、JVC。昨年からは、南相馬市や気仙沼市などの被災地でも大活躍してくれています。活動資金の半分以上を寄付で、その他の大部分を民間の助成で活動しているのは、実績のある団体ならではです。NPO法の課題、福島の復興支援のことで意見交換をしていたら、あっという間に一時間が経ちました。福島の問題、改めて、しっかりやらねばと決意を新たにしました。

日本の多くの若者が、JVCを通じて国内外で活躍しています。最近の若者は、内向きだと言われますが、ここに集まっている人たちは、元気です。学生時代、フィリピンのミンダナオ島にスタディツアーに行ったこと、阪神淡路大震災のボランティアで神戸に滞在した経験が、私が政治への道に入るきっかけになりました。若いときは、座学より体験です(若干の主観的な言い訳が入っています)。多くの日本の若者が雄飛するのを応援したいと思います。

気になったのは、彼らを通じて日本政府が出しているNGO連携無償資金が滞っているという事実です。特例公債法が通らないので、歳出を制限していることが原因です。約束した資金が出せなければ、日本の信頼にも傷がつきますし、それ以上に、緊急案件が遅れれば途上国の人々の生命にかかわります。政局の犠牲にしてはならないものがあるはずです。

 

今回の視察で私が確認したかったのは、「新しい公共」の考え方に基づいて導入された寄付税制の成果です。両団体とも、以前から寄付優遇措置の認定を受けているのですが、税制優遇措置が大幅に拡大した4月以降、個人寄付が飛躍的に拡大したということはないそうです。

新しい公共は、民主党政権の最大の成果の一つです。これまで、政府の中でも取り組んできましたが、党の側でも、もっと力を入れて、新しい公共の重要性を国民に訴える必要がありそうです。



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