7月31日は前橋で行われた上毛新聞社主催
シルクカントリー双書発刊記念イベント 「絹文化を守るために」
にいってきました。
足がよくなって、伝道師関係のイベントに行くのははじめてだったので、
会う人ごとに「良くなってよかったね~」、「もう歩けるの」と声をかけていただきました。
「まだ走ったりジャンプすることはできないんですけど」と言いながら、
「お久しぶりです」という挨拶ばかりしました。
さてこのイベントは、上毛新聞社が8月に出版する
『私の中のシルクカントリー』上下巻の発売記念でおこなわれました。
大日本蚕糸会の高木会頭の講演があり、
同じ伝道師で座繰製糸をしているHさんや友人のミラノリブのSさんが
座談等に出席するのでぜひ聞いてみたいとおもっていました。
高木会頭の講演は「絹文化の危機と将来」というタイトルで
現在の日本の養蚕の危機的状況の説明とそれを打開すべき案として、
純国産シルクを希少価値とする差別化された絹製品をつくるのが肝心だ。
いわゆる大量に安い製品をつくるユニクロの真逆をいく、という。
現在国内の全シルク製品のうち国産の生糸が使われているのはたったの0.7%で、
あまりに少ない。
他国のものとは比べ物にならないほどいい品質の国産の生糸が、
価格と需要の減少によって、消滅しようとしている。
会頭はせめて収入の1%、純国産のシルク製品を買いましょう、
そして富岡製糸場が世界遺産となることは、絹文化を残していくことに大きな力になる、
と話されました。
このあとは鼎談「絹に魅せられて」と
座談「『私の中のシルクカントリー』を語る」、がおこなわれました。
登壇者はみなシルクの文化や産業に関わる方たちで、
それぞれの立場で現在の活動やおもいを語られました。
今回発刊された『私の中のシルクカントリー』上下巻は
群馬県内でシルクに関わっていた、また現在も関わっている人たちを
2年半にわたって取材したものですが、
その数500人以上。
この数字だけでも群馬がいかに絹を生業とし、盛んであった地域(たぶん日本一ではないか)
であったかがわかります。
イベントを通して、国産のすばらしいシルクがつくれるのに、その産業が廃れてしまうのは
本当にあってはならないことだし、
その文化すら忘れられようとしている現在、
残すべきものとしてあらゆる努力を惜しんではならない。
そのための一助になる富岡製糸場の世界遺産登録も必ずや遂げなくてはと
深くおもいました。
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