12日は毎月の歴史ワーキンググループの勉強会でした。
いつもより早く家を出て、午前中に群馬県立図書館にいきました。
前橋市の古い地図を閲覧したかったので。
明治43年のものと大正12年13年のがあり、出してもらいました。
堅曹さんが幕末から明治前半に前橋で住んでいた場所や製糸所の場所を確認するため、
なるべく当時に近い地図でとおもったのですが、
閲覧した地図ではだいぶ道路もできていて、細かい番地までは入っていなかったので、
おもったほどの結果は得られませんでした。
午後は前橋市立図書館で勉強会です。
堅曹さんの自叙伝の『六十五年記』から、明治20年のところを読んでいきます。
10月23日富岡で行なわれた農工商の集談会での演説です。
「農工商振起の根源を論ず」というタイトルです。
内容は子弟の教育に尽きる、ということ。しかも家庭教育が大事である。
父母の特に母の家庭でのしつけは大切であり、学校に入れ教師にだけまかせるのではなく、
父母は子供に良い友人を得、品行を謹ましくさせ、一生の目的を定めるように促す
精神的な面を育てることが務めである。
そういったことが今は行なわれなくなり、いつかこれが国家の盛衰にかかわってくるだろう。
親に孝行もせず、驕りおもい上がっている子供は自分の意見ばかり言う。
安月給の役人で満足していたり、税金取立ての役人勤めを好むばかりで、
大きな夢にむかって事業をおこし成功したいという目的をもつ者は至ってすくない。
世の中や親たちが権力のあるものにあこがれ、役人を望んでいる。
したがって尊敬される仕事は職業ではないと信じられ、
我が子たちを金の取れる地位につけようと望むことが、
そういった虚位をのぞむ子供ばかりをつくっている実情だ。
いやー、今も全く同じである。100年以上前とちっとも変わらない。
読んでいた一同、感心するばかり。
このあと、世界の経済状況をデータを使って詳しく説明。
堅曹さんお得意の数字から読みとく解説はわかりやすく、筋が通っている。
損得の判断は的確である。
教育は学校にだけ任せるのではなく、幼少のころより、物事をよく学び、勉強をして、
何でもいいから一つの事だけは誰にもまけない卓越したものを得なさいと、
技術の種を植え付けるのです。
それがひいては農業、工業、商業を盛んにすることにつながる。
いまでいうオンリーワンになれ、っていうことでしょうか。
実業の考えが息づいている。
堅曹さん自身の生き方がオーバーラップされている。
そう思いました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます