早稲田のオープンカレッジの夏の講座で五代友厚についてのものがあり、受講してきました。
堅曹さんは五代友厚と「莫逆(ばくぎゃく・ばくげき)の友」だったと書いています。
それは「たがいに意気投合した親友」という意味です。
そこまでの間柄だった人はどんな人物なのか?
調べないではいられません。
五代は薩摩藩士で、幕末に海外にいき、早くから薩摩の貿易にかかわっています。
しかし其の頃の行動には未だに謎が多いといわれています。
維新後は外交の担当として出仕しますが、すぐに官僚をやめ、
民間の商人となり主に大阪の経済界を確立します。
実業家であり、政商といわれています。
しかし、こういった経歴だけでは、
なぜ堅曹さんが彼と意気投合して、何事も相談する相手と選んでいたのか、
納得できる答えが得られません。
伝記や資料も読んでみましたが、
私の頭では彼の行動や仕事の内容から、それが当時どういう意味をもつことだったのか、とか
商人、実業家としてのセンスなどを理解するのはとてもむずかしい。
そこで彼を研究している歴史学者の説をぜひ聞いてみたいとおもっていました。
あくまでも経済学の講座でよく取り上げられる政商としての五代ではなく、
歴史的に分析した五代友厚の話しです。
それがすごくおもしろかった。
できうる限りの史実に基づく解釈で語られる五代友厚の実像。
聞いていて、なるほどなるほど、とおもう。
堅曹さんが書いていることとすべて合致してくる。
五代友厚の壮大な思想や事業のやり方、直貿易のこと等々、
すべてが堅曹さんと同じだ!
だから莫逆の友なんだ、と講義を聴いていて、本当に興奮してしまいました。
2時間の講義もあっという間。
先生の一言一句決して聞き漏らすまいと身を乗り出していました。
現在語られる、どちらかというと悪いイメージのある政商としての五代とは全く違う、
真実の五代友厚像を知ることができてうれしかった。
こういった人物なら堅曹さんが意気投合して一生付き合っていったというのもすごく納得できる。
ずっとわからなかった謎が解けました。