昨日の続きです。
「俺もか？ ジェームズ、駅馬車を襲ったのは何人だ？」「確か４人……」「良く見ろ。見覚えは？」「まぶしかったんだ」「俺たちが守る。正直に言え」「覆面だった。顔など分かるか」「そこのお前」ジョニー「名前がある」（中略）「今日来たのか？ 何か見たか？」「ああ、駅馬車が襲われてた」「なぜ銃を撃たん？」「西部一の早撃ちじゃない」。一堂、笑う。ビエンナ、ジョニーに「あんたが笑われてるのよ」と言って、コーヒー茶碗を壁に投げつける。エマの仲間「よく聞け。一度しか言わん。24時間以内にこの区域一帯を封鎖する。こんな酒場は要らん。町の外での賭け事と飲食を禁じる」「自分の土地でもないのに追い出すのか？」「これは命令だ（中略）警告してるんだ。出ていかねば俺が片をつける。嵐は去ったようだ。行こう」。エマの仲間たち、去る。（中略）ジョニー「24時間だとさ。荷づくりは？」「トランクは捨てた」「敵は銃が30丁はあるぞ。何で立ち向かう？ ギターか？」「ギターさん」「何です？」「仕事がほしい？」「いいかげん落着かないと。ここは静かでいい。皆親切だし」キッド「面白い男だ。気に入った。俺が雇おう」「仕事は？」「俺のためにギターを弾け」ジョニー、ビエンナに「君の提案は？」キッド「俺が雇うと言ってる」ビエンナ「彼に決めさせて」キッド、ジョニーに「急にお前が嫌いになった」「悲しいな。友達を失うのは残念」「一人失えば一人見つかるわ。何か弾いて」「ご希望は？」「愛がこもった曲を」キッド「下手くそで振られるのがオチだ」「突っかかるな」ビエンナ「何が問題？」キッド「こいつさ。知らない女を口説くと泣くぞ」「知らない女？」「知らない者には」「どんな関係だ？」「見ての通りさ。（中略）彼女に呼ばれた」「（コインの）表が出たら殺す、裏が出たら弾け」。キッドがコインを投げ上げると、ビエンナがキャッチする。「弾いて」。ジョニーが曲を弾き始めると、ビエンナは「ほかの曲を」と言う。「さっきの曲はお嫌いだとさ」「やっかいな女だ」バート（アーネスト・ボーグナイン）「あんたのことをもっと知りたい。飲め」。ジョニーがグラスのウィスキーを飲み干し、去ろうとすると、バート「待てよ、もう一杯」「結構」「俺の酒が飲めないのか？」別の男「お前と飲むのが嫌なのさ」キッド「ああ、飲む相手を選ぶんだ」。「皆の健康に」と言ってジョニーがグラスのウィスキーを飲み干す。バート「もう一杯」「もう十分だ」「まだいける。飲み干せ」。ジョニーはわざとグラスを倒して「手が滑った」。バート「グラスが持てないなら瓶で飲めばいい。口を開け。飲ませてやる」。キッド「止めるか？」ビエンナ「まだ平気よ」。バート「口を開けと言ったろ」ビエンナ「外でやって。それからバート、銃は置いていって」。店の外に出るなり、バートはジョニーに殴りかかる。キッド「俺の魅力は消えた？」ビエンナ「完全にね」「ギター弾きを撃ちたかった」「よほどの恨みね」「俺のどこが悪い？ 言ってくれ。何が嫌いだ？」「むしろ、あなたのことは好きよ」「でも愛せない？」「そういうことね」「前は違った」「そうかしら。いつもこうだった」。屋外では壮絶なケンカ。「ここを出て戻らない方が賢明よ」「それは百も承知だが、俺はバカでね」「殺されるわ」「勝手に殺すな」。そこへフラフラのバートが戻ってきて、ジョニーの脚の一撃でひっくり返り、失神する。キッド「バートを馬に乗せろ。やっちまったな。奴は執念深い。報復されるぞ」「楽しかったよ」。キッドら去る。そのうちの一人の青年「ビエンナ」「何、ターキー」「もう会えなくなる。寂しいよ」「私も寂しいわ」「あんたは友達だ。残るなら誰か面倒みないと。俺が一緒に残ろうか？」「あなたの面倒は誰が？」「ガキ扱いするな。大人だぜ」「人には子供でいる時期が必要なの。騙されてる」「俺は大人だ」。次々と机上のモノを撃っていくターキー。ジョニーすかさずターキーの拳銃を撃ち落とし、その拳銃を立て続けに撃っていく。ターキーの前に立ちはだかるビエンナ。「いい腕ね。ターキー。子どもにしては」。（中略）ターキー去る。「まだ治ってないのね」「ほっとけば店が蜂の巣になってた」「他の者は動かなかったわ」「早まったな」「私が止めなければ彼を撃ってた。あなたの銃は？」「鞍袋だ」「私が許すまで使わないで」「君がボスだ」「変わらないのね」「なぜ変わると？」「５年もあれば人は学ぶ。酒場で君と出会い、酒場で再会した。何も変わってない」「今は私の店よ、来て。何かわかる？」。町のジオラマ。「よくある町だ」「来年ここに出来るの。店を分けてあげる。店員たちと同じように」「なぜ？」「拳銃使いが必要なの」「腐るほどいるだろ？」（また明日へ続きます……）
「俺もか？ ジェームズ、駅馬車を襲ったのは何人だ？」「確か４人……」「良く見ろ。見覚えは？」「まぶしかったんだ」「俺たちが守る。正直に言え」「覆面だった。顔など分かるか」「そこのお前」ジョニー「名前がある」（中略）「今日来たのか？ 何か見たか？」「ああ、駅馬車が襲われてた」「なぜ銃を撃たん？」「西部一の早撃ちじゃない」。一堂、笑う。ビエンナ、ジョニーに「あんたが笑われてるのよ」と言って、コーヒー茶碗を壁に投げつける。エマの仲間「よく聞け。一度しか言わん。24時間以内にこの区域一帯を封鎖する。こんな酒場は要らん。町の外での賭け事と飲食を禁じる」「自分の土地でもないのに追い出すのか？」「これは命令だ（中略）警告してるんだ。出ていかねば俺が片をつける。嵐は去ったようだ。行こう」。エマの仲間たち、去る。（中略）ジョニー「24時間だとさ。荷づくりは？」「トランクは捨てた」「敵は銃が30丁はあるぞ。何で立ち向かう？ ギターか？」「ギターさん」「何です？」「仕事がほしい？」「いいかげん落着かないと。ここは静かでいい。皆親切だし」キッド「面白い男だ。気に入った。俺が雇おう」「仕事は？」「俺のためにギターを弾け」ジョニー、ビエンナに「君の提案は？」キッド「俺が雇うと言ってる」ビエンナ「彼に決めさせて」キッド、ジョニーに「急にお前が嫌いになった」「悲しいな。友達を失うのは残念」「一人失えば一人見つかるわ。何か弾いて」「ご希望は？」「愛がこもった曲を」キッド「下手くそで振られるのがオチだ」「突っかかるな」ビエンナ「何が問題？」キッド「こいつさ。知らない女を口説くと泣くぞ」「知らない女？」「知らない者には」「どんな関係だ？」「見ての通りさ。（中略）彼女に呼ばれた」「（コインの）表が出たら殺す、裏が出たら弾け」。キッドがコインを投げ上げると、ビエンナがキャッチする。「弾いて」。ジョニーが曲を弾き始めると、ビエンナは「ほかの曲を」と言う。「さっきの曲はお嫌いだとさ」「やっかいな女だ」バート（アーネスト・ボーグナイン）「あんたのことをもっと知りたい。飲め」。ジョニーがグラスのウィスキーを飲み干し、去ろうとすると、バート「待てよ、もう一杯」「結構」「俺の酒が飲めないのか？」別の男「お前と飲むのが嫌なのさ」キッド「ああ、飲む相手を選ぶんだ」。「皆の健康に」と言ってジョニーがグラスのウィスキーを飲み干す。バート「もう一杯」「もう十分だ」「まだいける。飲み干せ」。ジョニーはわざとグラスを倒して「手が滑った」。バート「グラスが持てないなら瓶で飲めばいい。口を開け。飲ませてやる」。キッド「止めるか？」ビエンナ「まだ平気よ」。バート「口を開けと言ったろ」ビエンナ「外でやって。それからバート、銃は置いていって」。店の外に出るなり、バートはジョニーに殴りかかる。キッド「俺の魅力は消えた？」ビエンナ「完全にね」「ギター弾きを撃ちたかった」「よほどの恨みね」「俺のどこが悪い？ 言ってくれ。何が嫌いだ？」「むしろ、あなたのことは好きよ」「でも愛せない？」「そういうことね」「前は違った」「そうかしら。いつもこうだった」。屋外では壮絶なケンカ。「ここを出て戻らない方が賢明よ」「それは百も承知だが、俺はバカでね」「殺されるわ」「勝手に殺すな」。そこへフラフラのバートが戻ってきて、ジョニーの脚の一撃でひっくり返り、失神する。キッド「バートを馬に乗せろ。やっちまったな。奴は執念深い。報復されるぞ」「楽しかったよ」。キッドら去る。そのうちの一人の青年「ビエンナ」「何、ターキー」「もう会えなくなる。寂しいよ」「私も寂しいわ」「あんたは友達だ。残るなら誰か面倒みないと。俺が一緒に残ろうか？」「あなたの面倒は誰が？」「ガキ扱いするな。大人だぜ」「人には子供でいる時期が必要なの。騙されてる」「俺は大人だ」。次々と机上のモノを撃っていくターキー。ジョニーすかさずターキーの拳銃を撃ち落とし、その拳銃を立て続けに撃っていく。ターキーの前に立ちはだかるビエンナ。「いい腕ね。ターキー。子どもにしては」。（中略）ターキー去る。「まだ治ってないのね」「ほっとけば店が蜂の巣になってた」「他の者は動かなかったわ」「早まったな」「私が止めなければ彼を撃ってた。あなたの銃は？」「鞍袋だ」「私が許すまで使わないで」「君がボスだ」「変わらないのね」「なぜ変わると？」「５年もあれば人は学ぶ。酒場で君と出会い、酒場で再会した。何も変わってない」「今は私の店よ、来て。何かわかる？」。町のジオラマ。「よくある町だ」「来年ここに出来るの。店を分けてあげる。店員たちと同じように」「なぜ？」「拳銃使いが必要なの」「腐るほどいるだろ？」（また明日へ続きます……）