山根貞男さんが推薦していた、安藤桃子監督・原作・脚本の’13年作品『0.5ミリ』をWOWOWシネマで見ました。
老人の痰の吸引をするサワ（安藤サクラ）は、老人をベッドに座らせて立たせ、オムツを交換しようとするが、老人は失禁してしまう。あわててコップに尿を受けるサワ。老人の娘のユキコ（木内みどり）は、「お気に入りのコップが尿瓶になっていまった」と苦笑し、「お願いだから来週１泊して。死ぬ前にしてほしいことがあると言うの。意識が朦朧としたり戻ったり。死期を悟ってるみたい。お願いだから一緒に寝てあげて。オッパイが恋しいらしいの。お金はたくさん払うから」と言う。「センターには内緒ですよ。ばれたら首ですから」とサワ。
電車で帰宅し、ラーメン屋でラーメンをすするサワ。
ユキコ「今日はプライベートよ」と刺身と寿司を出す。息子の真はボリボリと食べ、ユキコは苦笑し、「今夜はよろしく」とサワと乾杯。
サワが寝室に入ると、布団に２つの枕。「おじいちゃん、運んじゃいましょう」とユキコ。
寝室の外に真。ユキコ「ここには入っちゃいけないって言ったでしょ？」と真を抱くが、真は突き放す。ユキコ、何事もなかったように「じゃあ、おじいちゃん、運んじゃいましょう」。
ユキコは父に薬を飲まし、サワに「母の形見を着て」と言う。「ユキコさんもゆっくり休んでください」「本当にありがとう」。「失礼します」とサワは布団に入る。サワの方に手を伸ばす老人。「何ですか？ 大丈夫ですよ」とサワ。
赤々とストーブ。サワの顔をなめる老人。サワは嫌がり、老人を突き飛ばすと、布団にストーブの火がつき、火事に。老人を引っ張り、サワは階段を転げ落ちる。真が無表情で突っ立っていて、首を吊ったユキコを見ている。
タイトル。
「首になったし、寮もでなくちゃな」と警官。警察を出るサワ。大金をおろし、形見の服を一旦捨てる。
コートに入れた50万を夜の列車に置き忘れるサワ。
夜の街。カラオケに泊まろうと受付でもめてる老人が万札を持っているのを見たサワは、強引にその老人をカラオケの部屋に引っ張り込む。飲み物と料理を注文するサワ。２人はカラオケを楽しみ、やがて寝る。
「楽しかったよ。息子夫婦のところにいるが、私の遺産の話ばかり。生きてるうちに全部使おうと思って」と老人。２人が握手すると、サワの手に万札が握らされている。コートをサワにあげる老人。
公園をうろつく老人（坂田利夫）。喫茶店では「ここわいの席や」と言って、他の客を追い出す。チェーンを切って、自転車を盗む老人。その自転車を自転車置き場に置くと、隣に自転車を停めた中年女性は、老人にぶつかって、嫌な顔をする。「あのメス」と言って、その女性の自転車をパンクさせる老人。サワが現れ、「こんにちは。何やってるんですか？ 行こう、行こう、大丈夫」と老人を強引に連れていく。
スーパーに入る２人。レジで「これ下さい」「放せよ」。
家に上がり込むサワ。カップラーメンを食べ、天気予報を見る老人は、迷惑そう。
「仕事や」と言って家を出た老人は、ファミレスで斉藤（ベンガル）と会い、「石黒さん、必ず損はさせない。金は倍になる」という話を聞く。「昔車の修理をしていて、結構預金はある。今月中に一千万出す」と老人。２人の話を聞いていたサワは、２人が別れると、老人に「おじさんがやったことを警察に知らせたら、斎藤さんの信用もなくなるね」と言う。しゃがみこむ老人。食事の買い物をするサワ。
「酒、持って来い」と老人。自分の分を飲むと、サワにも差し出す。一気に飲むサワ。
夜。眠るサワに毛布を掛ける老人は、じっとサワの寝顔を見つめる。
朝。テーブルをふき、朝食の用意をするサワ。老人は眠そうな目。
外の自転車のところに老人を連れていくと、自転車には女性の名前。「返しに行こう」とサワ。
トラックを乗り付ける老人。荷台に自転車を乗せ、次々と返していく。
夜。サワ「名前は？」老人「茂。布団は１つだけしかない」。
朝。「斉藤さんは信用できないと思う」「でも俺の話をまともに聞いてくれる。娘夫婦とちゃうで。兄弟仁義や」「名刺もらったの？」「もらってない」「パンフレット見せて」「ダメや」。パンフの電話番号に電話し「斉藤さんはいますか？ 約束のお金、もらってないんですけど」。最初は丁寧な声で話していた相手は、すごんでくる。
「ヤクザじゃない。老人相手に嘘の投資を持ちかけたのよ。斉藤なんていないって」「いないはずない。金はいらん」「友だちは金取ったりしない。私じゃ話し相手はダメ？」。
公園。タンポポのアップ。
足の指と指を絡ませる２人。「サワちゃん、こっちへ。赤は血の色。生きるという色。目をつぶってみ。目の中、赤いやろ？」。（明日へ続きます……）
→Nature Life（http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/）
老人の痰の吸引をするサワ（安藤サクラ）は、老人をベッドに座らせて立たせ、オムツを交換しようとするが、老人は失禁してしまう。あわててコップに尿を受けるサワ。老人の娘のユキコ（木内みどり）は、「お気に入りのコップが尿瓶になっていまった」と苦笑し、「お願いだから来週１泊して。死ぬ前にしてほしいことがあると言うの。意識が朦朧としたり戻ったり。死期を悟ってるみたい。お願いだから一緒に寝てあげて。オッパイが恋しいらしいの。お金はたくさん払うから」と言う。「センターには内緒ですよ。ばれたら首ですから」とサワ。
電車で帰宅し、ラーメン屋でラーメンをすするサワ。
ユキコ「今日はプライベートよ」と刺身と寿司を出す。息子の真はボリボリと食べ、ユキコは苦笑し、「今夜はよろしく」とサワと乾杯。
サワが寝室に入ると、布団に２つの枕。「おじいちゃん、運んじゃいましょう」とユキコ。
寝室の外に真。ユキコ「ここには入っちゃいけないって言ったでしょ？」と真を抱くが、真は突き放す。ユキコ、何事もなかったように「じゃあ、おじいちゃん、運んじゃいましょう」。
ユキコは父に薬を飲まし、サワに「母の形見を着て」と言う。「ユキコさんもゆっくり休んでください」「本当にありがとう」。「失礼します」とサワは布団に入る。サワの方に手を伸ばす老人。「何ですか？ 大丈夫ですよ」とサワ。
赤々とストーブ。サワの顔をなめる老人。サワは嫌がり、老人を突き飛ばすと、布団にストーブの火がつき、火事に。老人を引っ張り、サワは階段を転げ落ちる。真が無表情で突っ立っていて、首を吊ったユキコを見ている。
タイトル。
「首になったし、寮もでなくちゃな」と警官。警察を出るサワ。大金をおろし、形見の服を一旦捨てる。
コートに入れた50万を夜の列車に置き忘れるサワ。
夜の街。カラオケに泊まろうと受付でもめてる老人が万札を持っているのを見たサワは、強引にその老人をカラオケの部屋に引っ張り込む。飲み物と料理を注文するサワ。２人はカラオケを楽しみ、やがて寝る。
「楽しかったよ。息子夫婦のところにいるが、私の遺産の話ばかり。生きてるうちに全部使おうと思って」と老人。２人が握手すると、サワの手に万札が握らされている。コートをサワにあげる老人。
公園をうろつく老人（坂田利夫）。喫茶店では「ここわいの席や」と言って、他の客を追い出す。チェーンを切って、自転車を盗む老人。その自転車を自転車置き場に置くと、隣に自転車を停めた中年女性は、老人にぶつかって、嫌な顔をする。「あのメス」と言って、その女性の自転車をパンクさせる老人。サワが現れ、「こんにちは。何やってるんですか？ 行こう、行こう、大丈夫」と老人を強引に連れていく。
スーパーに入る２人。レジで「これ下さい」「放せよ」。
家に上がり込むサワ。カップラーメンを食べ、天気予報を見る老人は、迷惑そう。
「仕事や」と言って家を出た老人は、ファミレスで斉藤（ベンガル）と会い、「石黒さん、必ず損はさせない。金は倍になる」という話を聞く。「昔車の修理をしていて、結構預金はある。今月中に一千万出す」と老人。２人の話を聞いていたサワは、２人が別れると、老人に「おじさんがやったことを警察に知らせたら、斎藤さんの信用もなくなるね」と言う。しゃがみこむ老人。食事の買い物をするサワ。
「酒、持って来い」と老人。自分の分を飲むと、サワにも差し出す。一気に飲むサワ。
夜。眠るサワに毛布を掛ける老人は、じっとサワの寝顔を見つめる。
朝。テーブルをふき、朝食の用意をするサワ。老人は眠そうな目。
外の自転車のところに老人を連れていくと、自転車には女性の名前。「返しに行こう」とサワ。
トラックを乗り付ける老人。荷台に自転車を乗せ、次々と返していく。
夜。サワ「名前は？」老人「茂。布団は１つだけしかない」。
朝。「斉藤さんは信用できないと思う」「でも俺の話をまともに聞いてくれる。娘夫婦とちゃうで。兄弟仁義や」「名刺もらったの？」「もらってない」「パンフレット見せて」「ダメや」。パンフの電話番号に電話し「斉藤さんはいますか？ 約束のお金、もらってないんですけど」。最初は丁寧な声で話していた相手は、すごんでくる。
「ヤクザじゃない。老人相手に嘘の投資を持ちかけたのよ。斉藤なんていないって」「いないはずない。金はいらん」「友だちは金取ったりしない。私じゃ話し相手はダメ？」。
公園。タンポポのアップ。
足の指と指を絡ませる２人。「サワちゃん、こっちへ。赤は血の色。生きるという色。目をつぶってみ。目の中、赤いやろ？」。（明日へ続きます……）
→Nature Life（http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/）