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テオ・アンゲロプロス監督『エレニの帰郷』その1

2015-11-05 06:09:00 | ノンジャンル
 WOWOWシネマで、いとうせいこう&みうらじゅん副音声解説付きのリチャード・シェンクマン監督の’12年作品『リンカーンVSゾンビ』、マサイアス・ヘイニー監督の’12年作品『ロンドンゾンビ紀行』、ラッキー・マッキー&クリス・シヴァートソン監督の’13年作品『オール・チアリーダーズ・ダイ』を見ましたが、それぞれ結構楽しめました。

 さて、WOWOWシネマで、テオ・アンゲロプロス監督の’08年作品『エレニの帰郷』を見ました。
 チネチッタ撮影所の門。ナレーション。ロシア行きの列車。プロデューサーと対立し、映画の撮影を中断している映画監督(ヴィルヘルム・デフォー)。タイトル。ロシア行きの列車の中で、偽造書類を手渡され、「北カザフスタンのテルミタウに行き、その後、モスクワ駅で仲間に会い、命がけで米国大使館に駆け込め」と言われる男。映画館で、ギリシャ難民はコロニーを作っていると語る現地の男は、町中に音楽が響きわたっていると警告を受ける。エレニに「迎えに来た」と言う男。緊張感に満ちた音楽。
一面雪の中を進む路面電車。その中で、「女子大生の事件で秘密警察に捕えられ、その後、2人の女性囚と脱出した君を追って、何回も国境を越えた」とエレニに語る男。エレニは「初めて会った夜、川辺でダンスをしたのを思い出す」と言う。男は、「真夜中に出る汽車でここを出よう」と言う。町中に響く葬送曲。路上を歩く人々。路面電車が広場に停まると、群衆。はためく赤旗。広場の中央に巨大なスターリン像。音楽止み、軍人たちが敬礼すると、スターリンの死去が伝えられ、インターナショナルが流れる。泣き声が聞こえ、黒い人影が散らばっていくと、白い地面が現れる。嘆きの声。
映画音楽の録音。映画のテーマ曲『川辺のダンス』を映画監督にピアノで弾いて聞かせる女性。電話がかかり、映画監督はあわててその場を去ると、病院では娘が「血が止まらないだけ」と言う。
娘の部屋で、シベリアから母が父あてに書いた手紙を見つける映画監督。
夜の広場の路面電車。男女が交わる声。「列車の時間よ」「急ごう」と2人は服を着るが、警察に捕まる。路面電車を照らす2台の車。
ホテル。「昨夜、暴漢に襲われた」と映画監督に語る従業員。玄関から続々と入って来る警官。映画監督がホールに入ると、壊されたテレビが点々と。奥には倒れた天使像。
雪の中に立つ煙突。列車と風の音。連行されるエレニ。彼女のナレーションで、そこがシベリアだと分かる。長々と続く階段を登っていくエレニら。子供を抱き、線路を歩くエレニ。「3歳の息子をヤコブの姉が待つモスクワに送った」とエレニ。
「第3の羽を」と叫び、詩を書いたビラを屋上から撒いて、拘束される女。ヤコブはドイツ語が話せるということで、文化館の館長に呼ばれる。「一晩でスターリン像が街から消えた」とナレーション。文化館の中の無数のレーニン像。ドイツから来た博士はパイプオルガンを持って帰りたいと言うが、館長は「直してからじゃないと」と答える。博士は「直す必要などない」と言い、パイプオルガンを弾き始める。
煙突から巨大な煙。ベルリンの娘の部屋。窓の外からは車の騒音と若者の叫び声。
「1999年12月31日」とナレーション。国境の検問。「こんな屈辱は受けたことがない」と言って、暗闇の中に駆け込む男は拘束される。オーストリアへの中立地帯へ向かう一団。老人が1人立ち止まる。「お父さん、早く!」の声。「お前らは行け。私の故郷は草原だ。背は向けられない」と老人。やがて孫の少女がやってきて、老人の手を取り、「体が冷えちゃうよ」と言い、子守歌を歌うと、老人は歩き始める。
「オーストリアで1974年の新年、おめでとう」という声がスピーカーから。ヤコブとエレニはアコーディオンの音に合わせて踊る。「第3の羽を」と語るヤコブ。バスの出発が告げられ、「イスラエルに行く人は右へ、米国など他の国に行く人は左へ」と言われ、エレニは「あなたの夢はイスラエル。ここでお別れね」と言う。
「母さん、税関で何か?」と映画監督。年老いたエレニとスピロス(ミシェル・ピコリ)が一緒。彼らはニューヨークからベルリンに着いたところ。エレニは「帰郷の旅なの」と言う。
映画館前の雑踏。映画監督に少女が走り寄り、「エレニは昨晩私の部屋に泊まったの。これは彼女の」と言ってザックを渡す。去った少女を映画監督は追いかけ、エレニの居場所を聞こうとするが、少女は「ブルーノなら知ってるかも」と言う。
歩道橋の上で歌う少女のエレニ。エレニの友人は映画監督をブルーノのところへ連れていくが、ブルーノは決闘で相手をナイフで刺し、殺してしまう。バイクで去る仲間たち。(明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/