先日、WOWOWライブで、『121212 ニューヨーク、奇跡のライブ』を見ました。2012年10月にアメリカ東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」の被災地救済のために、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで行われたチャリティーコンサートの模様を撮ったドキュメンタリーで、ビリー・ジョエルが登場し、ポール・マッカートニーが人集めをし始める辺りから「これはやばいな」と思っていたのですが、やはりローリング・ストーンズが登場する場面に至ると、涙してしまいました。それ以外にもいろんなことを考えさせてくれる作品で、人は理不尽な理由で自由が奪われた場合、拳を突き上げて戦うのだということ(第二次世界大戦前後の人民戦線の人々の姿が二重写しになりました)、ビリー・ジョエルが歌った「未曽有の災害に会っても、私はショーを続ける」という歌詞が持つ力の意味、チャリティーコンサートという名が日本で持つ堅苦しいイメージを払拭するような、控室からステージへの廊下を共演者たちとコーラスで歌いながらノリノリで向かうポールの姿などなど、印象的なシーンが数多くありました。
さてWOWOWプライムで、神代辰巳監督の’88年作品『噛む女』の冒頭部分を見ました。幼い娘を持つサラリーマン家庭、桃井かおりの妻と永島敏行の夫が引っ越しを控えていて、桃井かおりがゴミ出しをし、部屋の中を映した冒頭の数分間を見ましたが、照明が明るすぎて、白々しい画面になっていて、キャストが平田満、余貴美子、戸川純、竹中直人、絵沢萌子、芹明香と、かなり魅力的な面々が出演しているにもかかわらず、先を見ることを断念してしまいました。やはり神代監督が一番輝いていたのは1972年から1979年までだという、これまでの私の説を裏付ける結果となっていたように思います。
また、WOWOWプライムで、三池祟史監督の’13年作品『食女—クイメ--』を見ました。舞台の稽古でお岩と伊衛門を演じる恋人同士の浩介(市川海老蔵)と美雪(柴咲コウ)。やがて浩介は芝居と同様に伊衛門をお岩から取ろうとするお梅を演ずるカヨに誘われ、肉体関係を結び、結婚を申し込まれます。美雪は自殺を図り、下半身血まみれの状態で浩介に発見され、お岩が乗り移ったような美雪に恐れをなした浩介に首を絞められます。そして浩介は美雪の亡霊に悩まされるようになり、最後には車に乗っているときに、フロントガラスに飛び込んできた美雪によって首を飛ばされますが、現場検証に来た警察は浩介の首を探し出すことができません。舞台でも浩介はお岩の亡霊に首を食いちぎられます。ラスト、美雪は生きた姿で舞台稽古の控室に現れ、舞台監督に「絶対に舞台の幕は開けてくださいね」と頼み、布に包まれた首をひそかに足許に隠すのでした。映画としてもよくできていると思いましたが、出演者も伊藤英明がチョイ役で登場するなど豪華で、何よりも舞台装置が素晴らしく、これが一番の見どころだと思いました。
また WOWOWシネマで、ガス・ヴァン・サント監督の’12年作品『プロミスト・ランド』も見ました。天然ガス会社の営業マン(マット・デイモン)がアメリカの田舎を歩いて、未来の見えない農業や畜産業を営んでいる人々から採掘権を買い、夢を売っていくという物語で、最初の20分を見た後は、早回しで少し見て、その後は見るのを断念しました。画面構成、編集、演出ともに平凡で、やはりガス・ヴァン・サイト監督は’03年作品の『エレファント』を超える作品はもう今後撮れないのではないか、という私の疑念を、この作品でも証明することとなってしまったように思います。
また、WOWOWシネマで、スタンリー・キューブリック監督の’99年作品『アイズ・ワイド・シャット』も見ましたが、これはもう当時夫婦だったトム・クルーズとニコル・キッドマンを見ることができることぐらいしか見どころがなく、これ見よがしの照明と撮影テクニックばかりが鼻につき、早送りでも途中までしか見ることができませんでした。
また、WOWOWシネマで、黒沢清監督・脚本の’01年作品『回路』も再見しました。パソコンの“回路”を通じて襲い来る影によって、登場人物が次々に黒に侵食され、死んでいくというストーリーで、反復がテーマでした。音楽の使い方やモニターに幽霊が現れる場面などは、『リング』の影響をかなり強く受けているように思えましたが、色彩がひどく沈んでいる画面の迫力は満点でした。出演は加藤晴彦、武田真治、役所広司らでした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
さてWOWOWプライムで、神代辰巳監督の’88年作品『噛む女』の冒頭部分を見ました。幼い娘を持つサラリーマン家庭、桃井かおりの妻と永島敏行の夫が引っ越しを控えていて、桃井かおりがゴミ出しをし、部屋の中を映した冒頭の数分間を見ましたが、照明が明るすぎて、白々しい画面になっていて、キャストが平田満、余貴美子、戸川純、竹中直人、絵沢萌子、芹明香と、かなり魅力的な面々が出演しているにもかかわらず、先を見ることを断念してしまいました。やはり神代監督が一番輝いていたのは1972年から1979年までだという、これまでの私の説を裏付ける結果となっていたように思います。
また、WOWOWプライムで、三池祟史監督の’13年作品『食女—クイメ--』を見ました。舞台の稽古でお岩と伊衛門を演じる恋人同士の浩介(市川海老蔵)と美雪(柴咲コウ)。やがて浩介は芝居と同様に伊衛門をお岩から取ろうとするお梅を演ずるカヨに誘われ、肉体関係を結び、結婚を申し込まれます。美雪は自殺を図り、下半身血まみれの状態で浩介に発見され、お岩が乗り移ったような美雪に恐れをなした浩介に首を絞められます。そして浩介は美雪の亡霊に悩まされるようになり、最後には車に乗っているときに、フロントガラスに飛び込んできた美雪によって首を飛ばされますが、現場検証に来た警察は浩介の首を探し出すことができません。舞台でも浩介はお岩の亡霊に首を食いちぎられます。ラスト、美雪は生きた姿で舞台稽古の控室に現れ、舞台監督に「絶対に舞台の幕は開けてくださいね」と頼み、布に包まれた首をひそかに足許に隠すのでした。映画としてもよくできていると思いましたが、出演者も伊藤英明がチョイ役で登場するなど豪華で、何よりも舞台装置が素晴らしく、これが一番の見どころだと思いました。
また WOWOWシネマで、ガス・ヴァン・サント監督の’12年作品『プロミスト・ランド』も見ました。天然ガス会社の営業マン(マット・デイモン)がアメリカの田舎を歩いて、未来の見えない農業や畜産業を営んでいる人々から採掘権を買い、夢を売っていくという物語で、最初の20分を見た後は、早回しで少し見て、その後は見るのを断念しました。画面構成、編集、演出ともに平凡で、やはりガス・ヴァン・サイト監督は’03年作品の『エレファント』を超える作品はもう今後撮れないのではないか、という私の疑念を、この作品でも証明することとなってしまったように思います。
また、WOWOWシネマで、スタンリー・キューブリック監督の’99年作品『アイズ・ワイド・シャット』も見ましたが、これはもう当時夫婦だったトム・クルーズとニコル・キッドマンを見ることができることぐらいしか見どころがなく、これ見よがしの照明と撮影テクニックばかりが鼻につき、早送りでも途中までしか見ることができませんでした。
また、WOWOWシネマで、黒沢清監督・脚本の’01年作品『回路』も再見しました。パソコンの“回路”を通じて襲い来る影によって、登場人物が次々に黒に侵食され、死んでいくというストーリーで、反復がテーマでした。音楽の使い方やモニターに幽霊が現れる場面などは、『リング』の影響をかなり強く受けているように思えましたが、色彩がひどく沈んでいる画面の迫力は満点でした。出演は加藤晴彦、武田真治、役所広司らでした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)