gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

プリティン・ウィンダスト監督『脅迫者』

2010-01-16 18:24:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんと和田誠さんが本「ヒッチコックに進路を取れ」で言及していた、プリティン・ウィンダスト監督の'51年作品「脅迫者」をDVDで見ました。
 翌日の裁判でメンドーサ(エヴェレット・スローン)を有罪にするために証人としてリコを検察で保護しますが、彼は窓から逃げ出そうとして落下し死んでしまいます。検事(ハンフリー・ボガード)はメンドーサの事件を頭から洗い直します。ある日デュークが警察に出頭し、自分の恋人のニーナ・ロンバートを殺したと言います。3人の男に強制されて殺したと言い、留置所で首を吊って死んでしまいます。3人の中で唯一居場所が分かったフィルは精神病院に入れられていて供述が取れませんでした。彼にタバコの差し入れをしている雑貨屋に行くと、近所に3人のうちの1人が住んでいることが分かり、行ってみると彼は焼死体になっていました。そこでまた残りの1人の居場所が分かり拘留すると、彼はリコが殺人命令を出していたことを証言します。そして彼の証言を元にニーナの死体が沼の底に沈んだ車の中から発見されますが、車の持ち主は断片的な証言しかできません。ニーナのルームメイトに会うと、ニーナは以前アンジェラ・ベットという名前だったことが分かります。そしてアンジェラは父とともに過去殺人事件を目撃していたことも分かります。そこへフィルが病院を退院するという知らせが入り駆け付けると、彼はベット殺しの詳細を語り、死体処理をしていた男の住所を教えます。その男の証言から沼が死体の処理に使われていたことが分かり、そこからは多量の死体が発見されます。リコは危険を覚えて高飛びしようとしますが、メンドーサは思いとどまらせ、殺し屋を派遣してリコの部下を皆殺しにします。それから逃れたリコは検事と会い、メンドーサのことを話す代わりに保護してくれるよう求めるのでした。回想から戻った検事は刑事が繰り返し再生しているリコの証言を聞くうちに、殺された女がアンジェラではなく、本当のアンジェラはアンジェラのルームメイトであることに気付きます。買い物に出たアンジェラを追う殺し屋と検事。人込みの中でアンジェラを見つけることが難しいと判断した検事は、レコード屋のスピーカーを利用してアンジェラに呼び掛け、彼女からの電話を受けてそこへ急行します。検事を殺し屋も追いますが、電話ボックスに写った殺し屋の姿を見た検事は殺し屋を射殺し、仲間を逮捕するのでした。
 典型的なフィルム・ノワールで、沼から車を引き出すシーンは「サイコ」を遥かに予感させ、また死体の靴が無数に机の上に並べられているシーンなども無気味でした。回想の中にまた回想シーンが入るという入れ子構造を持つ珍しい映画であり、エヴェレット・スローンを始めとして犯罪者顔をした役者が大挙して出演しているのも見どころだと思います。ちょっと変わった映画を見てみたい方にはオススメです。