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モハマド・アリ・タレビ監督『柳と風』

2010-01-02 14:11:00 | ノンジャンル
 モハマド・アリ・タレビ監督、アッバス・キアロスタミ脚本の'99年作品「柳と風」をDVDで見ました。
 父の転勤で乾燥地帯から転校してきたアルカダーニは降ってきた雨に気を取られて授業に集中できません。先生によって教室から出された彼は雨に打たれて喜びに浸ります。もう1人廊下に出されていたクーチェキプールはガラスを割って未だに父が修理に来ないために、今日中に直さないと今後授業は受けさせないと先生に言われます。アルカダーニと一緒に帰った彼はアルカダーニの家に寄ってガラス代を借りることにしますが彼の両親は留守でした。アルカダーニの妹は自分のこずかいを渡しますが、話になりません。そこで風力発電所で働くアルカダーニの父を訪ね金を借りることができますが、アルカダーニは父と一緒に帰ることになり、クーチェキプールは1人で出発します。父が働く工場に寄ってガラスのサイズが書いてあるメモをもらい、ガラス屋に行きますが、メモは役に立たず自分のあいまいな記憶に従ってガラスを切ってもらうと、ガラス屋は7時までなら切り直してあげると言います。両手とあごでやっと持てる大きなガラスを強い風の中運びますが、強風で教科書がばらけて飛ばされてしまい、それを拾っていると、同級生で既に仕事をしているアキバルに出会います。彼が配達する布を拾ってあげたことでバイクに乗せてもらえますが、風に押されてバイクのスピードが出過ぎ、怖くなった彼はバイクから降ろしてもらいます。雨が降り始め雨宿りしていると眠気に襲われますが、何とか学校に辿り着き、机に椅子を乗せて、それに乗って独力でガラスをはめ始めます。サイズは合っていましたが、はめたガラスを釘で止めようとしたところ金槌を下に置き忘れたことに気付きます。手で刺した釘でかろうじて止まっているガラスを離れて金槌を取ろうとドアを開けると、開けたドアを通って強風が通り抜け、ガラスは窓枠から外れ粉々に壊れます。絶望的になりますが、時計は6時30分を指していました。ガラス屋に駈ける彼は出会ったアキバルのバイクの乗って夕焼けの中急ぐのでした。
 主人公がガラスを手にしたところからはスリルの連続で、ラストのガラスが割れるシーンは「大人は判ってくれない」のラストに匹敵するほどの絶望感に襲われました。アルカダーニが主人公と思わせておいて実は違うというのも「サイコ」を思わせ、なかなかシャレていると思いました。既に有名な作品なのかもしれませんが、私は初めて知りました。映画好きな方にはオススメです。