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ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』

2010-01-13 15:49:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんと和田誠さんが本「ヒッチコックに進路を取れ」の中で言及していた、ジョン・ディクスン・カーの'37年作品「火刑法廷」を読みました。
 編集者のスティーヴンズは犯罪実録物が売り物のゴーダン・クロスの原稿を持って別荘へと向かいますが、19世紀の毒殺犯が妻マリーの名前と同じで、その写真も妻とそっくりなのに気付きます。別荘に着き妻と会うとその直後にその写真がなくなり、やがて原稿も失われます。隣人のマークの叔父が亡くなりますが、やがて毒殺されたことが分かり、スティーヴンズはマークに請われて叔父の遺体を墓所に求めますが柩は空でした。叔父が19世紀の毒殺犯と同じ衣装の女性から毒を盛られたのを目撃した者が現れ、その時仮装舞踏会にその格好で出ていたマークの妻が疑われますが、彼女には完璧なアリバイがあることが分かります。そしてゴーダンが現れ謎解きをすると、叔父の看護婦がマークの以前からの愛人であり、マークと彼女の二人が犯人であることが明かされますが、ゴーダンは毒を盛られてその場で死にます。マークが行方不明のまま看護婦は起訴されて終身刑が言い渡されますが、実は真犯人は毒殺犯の生き返りであるマリーなのでした。
 延々と続く会話が苦痛ではありますが、そのゴシック的な魅力で最後まで読めました。ミステリーとしてよりはある種のホラー小説として読めるのではと思います。古めかしい恐怖小説を読んでみたい方にはオススメです。