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フリッツ・ラング監督『飾窓の女』

2009-11-22 12:18:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、フリッツ・ラング監督の'44年作品「飾窓の女」を見ました。
 家族が旅行に出て1人になった大学教授のリチャード・ウォンリー(エドワード・G・ロビンソン)は、いつもの仲間と飲んだ後1人残って本を読み始めます。給仕に時間を知らされた彼が店を出て、隣の画廊の窓に飾ってある女性の肖像画に見とれていると、その絵のモデルであるアリス・リード(ジョーン・ベネット)が現れ、自分がモデルのスケッチを見たければと部屋に誘います。そこで誘われるままに酒を飲んでいると男が現れ、リチャードの姿を見て激怒し、彼の首を絞めます。アリスから渡されたハサミを思わず男の背中に何回も刺して殺したリチャードは、一旦は警察に電話しようとしますが実際に起きたことを警察が信用するはずがないと考え、自分の車で死体を郊外に捨て、それ以降二人は一切会わないようにすることにします。家を出ようとする時に他の住人に目撃され、料金所でも顔を見られそうになり、交差点では白バイ警官に見られ、森の中で死体を捨てる際には有刺鉄線に服を引っ掛けてケガをし、車に戻ると男の帽子を捨て忘れたことに気付きますが、別の車が近づいてきたので急いで車を出したところ、タイヤ跡が泥の上にくっきりと残ってしまいます。翌日、友人の検事に財界人のクロード・マドードが行方不明になっていることを知らされ、やがて死体が発見されます。検事はタイヤ跡から車が、足跡から犯人の身長、体重、歩幅が、有刺鉄線に残された布切れから血液型が分かったと言い、まもなく事件は解決されるだろうと語ると、リチャードは気分が悪くなり、友人の医師から飲み過ぎると心臓発作を起こす強い睡眠薬を処方されます。すると検事は被害者が度々トラブルを起こしていたため彼を尾行していた男も行方不明になっていると言い、翌日の現場検証にリチャードを誘います。現場に向かう車の中で漆かぶれを起こしている右手のケガのことを刑事に指摘されたリチャードは何とかごまかしますが、現場には実際漆の木があり、また現場への道を無意識に先導してしまったりもします。被害者と関わりのある女も現場に連れて来られていて、リチャードは車に戻り遠くから眺めますが、顔は確認できず、帰りの車の中で検事はあの女は被害者の女ではないと言います。家に帰るとすぐにアリスから電話があり、リチャードの昇進の記事を見てもう安心だと語りますが、その電話が終わった直後に被害者を尾行していた男がアリスを訪ね、警察に黙っていてほしければ金を用意しろと言います。アリスはリチャードにすぐに相談しますが、リチャードは彼を睡眠薬で殺すように彼女に言います。翌日訪ねて来た男にアリスは金を渡し、薬入りの酒を飲まそうとしますが男にばれ、男は追加の金を要求して帰ります。アリスはすぐにリチャードに電話すると、リチャードはすぐには解決策が思い浮かばないと言って電話を切り、もう疲れたと言うと睡眠薬で自殺を図ります。その時、アリスは銃声を聞き、表に出ると、挙動不審者との通報で駆けつけていた警官が、突然発砲してきた男を射殺しており、彼の持ち物から彼が殺人犯であるとの結論を出しているのを聞いて、すぐにリチャードに電話しますが、既に意識が朦朧としている彼は電話に出ることができません。しかししばらくすると彼は給仕に起こされ、サロンで本を読んでいるうちに眠りこんでいたことに気付きます。サロンのクラークの男は殺した財界人で、タクシー係は恐喝の男でした。隣の画廊の絵を見ていると女性がタバコの火を借りに来ますが、リチャードはとんでもないと逃げ出すのでした。
 死体を捨てるまでの前半は素晴らしい出来で、まさに漆黒の黒と、鏡を多様した画面、雨に濡れるガラスの向こうのジョーン・ベネットの姿など見事な画面のオンパレードでした。悪夢のような展開もフリッツ・ラングならではのものでしたが、それに比べて後半は冗長で、特にラストのとってつけたようなハッピーエンドはいただけませんでした。しかし映画好きな方は必見です。文句無しにオススメです。