本木克英監督『ゲゲゲの鬼太郎』

　WOWOWで、本木克英監督の'07年作品「ゲゲゲの鬼太郎」を見ました。
　ねずみ男が盗み出し質屋に入れた妖怪石を偶然に触ってしまったケンタの父は石の妖力に操られてそれを盗んでしまい、逮捕される直前に石をケンタに託します。自然を破壊する人間への復讐に燃える空狐は部下の妖狐らとともにケンタから妖怪石を奪おうとしますが、誰にもありかを教えるなという父との約束をケンタは守り、逃げ回ります。以前に助けたことのあるケンタの窮地を知った鬼太郎（ウエンツ瑛士）はケンタの姉・ミカ（井上真央）とともに彼を助け、ゲゲゲの森へ連れていきますが、妖怪石を盗んだのは鬼太郎だという空狐の通報のために鬼太郎は妖怪裁判にかけられ、ねずみ男の裏切りによって500年の釜茹での刑が宣告されます。砂かけババアと目玉のおやじの機転によって鬼太郎は脱出しますが、妖怪石を持ち帰らないと鬼太郎の代わりに二人が刑に処せられることになったと猫娘から携帯で知らされます。鬼太郎はケンタに前日に死んだ父に会わせる代わりに妖怪石を譲ってもらうことをケンタと約束し、ミカも連れて黄泉の国へ行きますが、空狐らの襲撃を受けます。そこへ人間との共存を説く天狐が現れ、あくまで逆らおうとする空狐をただの狐の姿に戻し、住処を人間に明け渡す代わりに稲荷神社へ油揚げを欠かさないことを鬼太郎らに約束させます。父と会えたケンタは約束していたキャッチボールを妖怪石を使ってすると、ケンタの思いが石を経由して父へと伝わり父は生き返ります。妖怪石を妖怪裁判の法廷に届けた鬼太郎は無事に目玉のおやじと砂かけババアを助け出しますが、ミカに恋している鬼太郎を見た目玉のおやじは、必ず死ぬ人間との恋の不幸を見越してミカの中の鬼太郎の記憶を消します。傷心の鬼太郎を猫娘らは励まし、妖怪たちの夜通しのダンスが続くのでした。
　アマチュアのポートレートのような、鬼太郎の初登場のショットを見た段階で、もう映画への期待は消えました。肝心の妖怪が少しも魅力的でなく、こけおどしもまるでなく、大昔に見た東宝の妖怪映画の方がずっと面白かったように思います。ただ、井上真央さんの姿をふんだんに見ることができたことは幸いで、やはり彼女目当てで見た「花より男子」の時は始めの10分を見て先を見ることを断念したので、それよりはまだ耐えられたということでしょう。井上真央ファンの方にはオススメです。