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ロバート・パリッシュ『わがハリウッド年代記』

2009-11-09 13:43:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生の「映画崩壊前夜」で言及されていた、ロバート・パリッシュの'76年作品「わがハリウッド年代記 チャップリン、フォードたちの素顔」を読みました。
 ダグラス・フェアバンクスの海賊のマネをして腕を骨折し、すべての映画を監督しているのはグリフィスだと信じ、子役のエキストラとして映画出演していた頃から、ウォルシュ、デミル、フランク・ボーザージらの雑用をし、やがてビリー・ハミルトンについて編集を学び、フォードの元でOSSの仕事をし、戦後になってロッセンの「ボディ&ソウル」の編集でアカデミー賞を取り、やはりロッセンの「オール・ザ・キングス・メン」の編集に携わり、パラマウントのコーンから独立して監督となり、その直後に赤狩りでのデミルとフォード対決の場に立ち合い、コングロマリットによってハリウッドが買い上げられるまでが著者の様々なエピソードによって語られています。一般論に堕すことなく、あくまで個人的なエピソードに徹して書かれていることによって面白い読み物となっていました。20世紀初頭のアメリカの田舎では子供が汚い言葉を口にすると石鹸を親が口につっこむ風習があったこと、当時の子供は普段外を裸足で歩き回っていたことなどはこの本によって初めて知りました。ハリウッドの歴史、特にフォードについて知りたい方にはオススメです。