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マノエル・デ・オリヴェイラ監督『夜顔』

2008-11-20 14:56:15 | ノンジャンル
 WOWOWでマノエル・デ・オリヴェイラ監督の'06年作品「夜顔」を見ました。
 「ルイス・ブニュエルとジャン=クロード・カリエールに捧ぐ」の字幕。パリ。オーケストラの演奏を聞く老人ユッソン(ミッシェル・ピコリ)。観客席に昔の知り合いの女性セヴリーヌ(ビュル・オジェ)がいるのに気付きますが、演奏終了後見失ってしまいます。バーから出て来たセヴリーヌを発見し、バーテンダーからセヴリーヌが滞在しているホテルを聞き出し訪ねますが、セヴリーヌはユッソンを避けてホテルを出ます。夜にユッソンは昨夜のバーに行き、バーテンダーに40年前にマゾイストの妻が夫を愛しながらも夫の親友と浮気をしたという話をします。翌朝ホテルにまた行きますが、セヴリーヌは長期の旅行に出たと言われます。その夜ユッソンは昨夜の話は妻の妄想だったと言う話をバーテンダーにします。翌日ユッソンは路上でセヴリーヌを捕まえ、夕食に誘います。その夜、セヴリーヌはユッソンの館を訪れ、ユッソンの話がセヴリーヌのことだったことが観客に分かります。2人は黙って延々と食事をした後、セヴリーヌは、夫が死んだ今、全ては過去のことだと言って、怒って立ち去ります。召使いたちはユッソンが変わっていると言い、食卓を片付けるのでした。
 最初の字幕から分かる通り、ルイス・ブニュエル監督の「昼顔」の後日譚です。「昼顔」では、ユッソンはやはりミッシェル・ピコリが、セヴリーヌはカトリーヌ・ドヌーヴが演じていました。オリヴェイラ監督としてはセヴリーヌ役もドヌーヴにしたかったのではと思います。ミッシェル・ピコリは衰えを感じさせず、相変わらずのスケベ爺然としていましたが、ビュル・オジェは「ラ・パロマ」の頃のオーラは既になく、ただの美人のおばさんになっていて、ショックでした。映画自体はとても静かで、時間の経過を示す時にはパリの遠景がかなりの時間写っていたりして、変わった作りになっていました。静かな映画がお好きな方にはオススメです。