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年をとると時間の流れが速く感じるのはナゼ?

2008-11-02 15:22:19 | ノンジャンル
 昨日の朝日新聞の夕刊に、スタッズ・ターケル氏の死亡記事が載っていました。記事を引用すると「(米国の作家、社会活動家)AP通信によると、31日、米イリノイ州シカゴの自宅で死去、96歳。シカゴ大学法科卒。ラジオ番組で多くのインタビューを手がけながら、主に口述の人間史を記す手法で多くの著作を残した。シカゴの貧富の差を描いた「アメリカの分裂」や「仕事」など。第2次大戦を現代の視点で批判的に描いた「よい戦争」で85年にピュリツァー賞を受賞した。」そうです。
 私は、サイトの「Favorite Books」に掲載した「死について」しか読んでいませんでしたが、残りの著作についてもこれから読もうと思います。ターケル氏には素晴らしい著作を残していただいたことに、心から感謝の意を捧げます。

 さて、今週の木曜日に発行されたフリーペーパー「R25」に、「年をとると時間の流れが速く感じるのはナゼ?」と題する、面白い記事が載っていました。
 記事を引用します。「(30才を過ぎてから1年があっという間に過ぎるように感じる、と友人に言うと)『10歳の1年は人生の10分の1。30歳の1年は30分の1。そりゃ速いよ」と(言われました。そこで)「大人の時間はなぜ短いのか」(集英社新書刊)などの著書を持つ千葉大学文学部行動科学科の一川誠准教授に話を聞いてみた。
 『年齢を分母にする考え方は、?ジャネーの法則?と呼ばれるものです。ただ、同じ30歳でも、人によって時間の感じ方は違います。科学的研究では重要視されない説ですね』(中略)
 『実は、年をとると時間の流れを速く感じることを示す実験があるんです。1分経ったら合図をする条件で統計を取ると、年齢が上の人ほど遅く合図をする傾向があります。現実の時間より心的時間(実際の時計とは異なる精神的な時間)の方がゆっくりと流れるようになるんですね。』(中略)
 『(これには)いくつかの要因がありますが、、その中の一つとして加齢にともなう(身体的な)代謝の低下が考えられます。代謝が落ちると、心的時間もゆっくりと流れるようになります。逆に代謝が活発だと、心的時間は早く流れる。代謝は心的な時計の動力源の一つと考えれば分かりやすいかもしれません。』
 ほかにも、時間の感覚に影響を与える要因がいくつか実験で確認されていて、それらが組み合わさって時間が速く流れていると感じるらしい。(後略)」
 別表として、時間が進むのを遅く感じる要因には「時間の経過を気にする」「脈絡やまとまりのなさ」「課題の難易度」「拾い空間」「恐怖を感じる」ことなどが実験的に検証されていると書かれていました。

 つまり、年をとると時間の経つのが速く感じるのは、気のせいではなく、身体的な条件に基づいた科学的事実であるということなのでした。したがって、速く感じる時間の流れの中で、毎日を悔いなく過ごすことが、残りの人生を全うする最善の策であるのだと改めて思った次第です。人の命ははかないもの。明日には死が待っているかもしれません。そのことを胸に、今日も精一杯生きたいと思う私だったりしました。