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成瀬巳喜男監督『お國と五平』

2008-11-03 19:45:13 | ノンジャンル
 今日、宝くじを買いに行くと、本厚木駅の近くのイトーヨーカドー前の通り沿いに新しくできた、ミニコンサートができる小さな公園のオープニング記念コンサートが開かれていて、「オーヴァー・ザ・レインボー」を歌うボーカルのあまりのうまさと、ギターの見事さに惹かれて、途中から最後まで聞いてしまいました。ボーカルの方は若い女性で「neco★」という方、ギターは漢字は分からないのですが「ひかげ こうぞう」さんと名乗っておられました。「neco★」さんは「ルミエール」というアルバムを最近出されたそうです。この二人の方の情報をお知りの方は、是非教えてください。

 さて、スカパーの707チャンネル「日本映画専門チャンネル」で、成瀬巳喜男監督の'52年作品「お國と五平」を見ました。
 お國(小暮実千代)は、生活力のない許嫁の友之丞(山村聡)をあきらめ、見合いで親の勧める伊織(田崎潤)と結婚しますが、伊織は友之丞の闇討ちに会って死にます。お國は仇を討つために、五平(大谷友右エ門)をお伴に旅を続けているのでした。お國はこのまま年を取って旅の途上で死んでしまうのではと言って泣きます。友之丞がよく吹いていた尺八の音が二人を追いかけてきます。お國は病に倒れ、武家の女だけが仇を討たねばならないことを理不尽だと言うと、五平は友之丞がいつまでも見つからずお國のそばにいられるのが自分は幸せだと言い、二人は結ばれます。二人が泊まる宿に虚無僧姿の友之丞がやって来ます。お國は仇討ちはもう止めようと言いますが、五平はそれでは国へ帰れないし、自分も出世できないと言います。五平が買い物に出ている間に、友之丞はお國を訪ね、今だに愛していると言い、五平と一緒にどこかで幸せに暮らしてくれと言って去ります。お國たちは旅を再開しますが、尺八の音が追ってきます。友之丞は五平に見つかり、命乞いをしますが、五平が斬り掛かると、友之丞はいまわのきわに、お國が自分にも身を任せたことがあると言って、笑いながら死んでいきました。五平は尺八の音の幻聴に悩まされるのでした。
 道を撮る名手の成瀬監督だけあって、クランクの形をした道とか、上り下りに別れて行く道とか、面白い道がいろいろでてきます。煮え切らない男たちの間で、運命を翻弄される女性を描いた映画ですが、ストーリーよりもそうした画面に面白みを感じた映画でした。成瀬監督の珍しい時代劇です。成瀬ファンにはオススメです。