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成瀬巳喜男監督『君と行く路』

2008-11-12 15:52:44 | ノンジャンル
 スカパーの707チャンネル「日本映画専門チャンネル」で、久松静児監督の'54年作品「女の暦」を見ました。映画自体は古びてしまっていましたが、主演の香川京子さんの輝くばかりの笑顔と色っぽい甘え声に魅了されました。香川さんの映画には外れがありません。

 さて、同じチャンネルで、成瀬巳喜男監督の'36年作品「君と行く路」も見ました。
 朝次(大川平八郎)の恋人の霞は金のために北海道の金持ちに嫁に行かされようとしています。朝次の弟の夕次(佐伯秀男)は、電車の中で霞の友人の津紀子にそれと知らずに一目惚れします。霞は家を抜け出してきて朝次に嫁には行かないと言いますが、朝次は自分は妾の子なので、霞とは結婚できないと言います。夕次は金持ちの養子にならないかと母に言われますが、好きな人と結婚したいと断ります。霞は家に閉じ込められ、朝次は霞の家の執事から霞からもらった手紙を返すように言われて絶望し、車で家を飛び出して崖から落ちて死にます。そしてそれを知った霞も自殺します。津紀子は夕次のもとを去っていくのでした。
 何とも救いようのない話です。ほとんどが室内シーンで見どころもなく、霞を演じる女優の演技もひどくて、見るべきところはあまりありませんでした。戦前の成瀬作品と期待していただけに残念です。