杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

活字に埋もれる

2008-10-06 19:42:41 | しずおか地酒研究会

 先週末、高島寛之さんの突然死の報に接し、ゆうべお通夜に行って来たのですが、あまりにいたましくて帰宅してからも胃がシクシク痛むほどでした。保険の仕事のかたわら、地域活動に積極的で、しずおか地酒研究会の会員になってくれて、静岡おでんの会の立ち上げにも尽力し、最近ではNPO法人活き生きネットワークの評議員同士、よく顔を合わせていました。

 まだ42歳。残された奥様と3人の息子さんたちが涙に暮れる姿が痛々しく、この年代の男性の死が、いかに残酷なものかをひしひしと感じました。

 

 

 

 いつもは8時前には仕事デスクの前にいる朝型人間の私が、今朝は起きたのが8時。編集モノの締め切り当日というのに、ちっともはかどりません。

 

 思い立って、座禅に通う京都興聖寺のご住職からいただいたお経を、声に出して読んでみました。ゆうべのお通夜でも聞いた“ナムカラタンノトラヤーヤー”でおなじみ『大悲呪』です。座禅修行のときも、一番たくさん読んだお経で、意味はまったくわからないのですが、“トラトラー”とか、“クリョクリョキリー”とか、“ソモコー”とか、不思議な響きの言葉が脳裏に染み付いて離れません。

 

 そのうちに、意味がわからないと気持ち悪いなぁ…とライター魂?が覚醒しはじめ、ネットで調べ、Amazonで専門書を買うことに。梵語の呪文をそのまま漢字で音写したらしいので、専門家でも解釈がバラバラとか。どこまで“解明”できるかわかりませんが、本が届いたらいろいろ勉強してみようと思います。

 

 

 

2008100616030000  お経を読んで元気が湧いた?ところへ、JA静岡経済連からスマイル最新号が届きました。過去ブログでもご紹介した、特選和牛静岡そだちの特集号です。

 自分ではなかなか食べられないグルメ和牛。取材先でも、ひとかけらも試食ができませんでした(涙・・・)。もうすぐ誕生日(11日)なんですが、誰かご馳走してくれないかなー。

 スマイルは県内主要JAやAコープの窓口で無料配布していますので、ぜひお手にとってご覧ください!

 

 

Dsc_0025  昼過ぎ、東京の里見美香さん(dancyu編集部)から、先週末、最新号(お米特集号)を送ったとの電話。ポストを見に行ったらメール便で届いていました。

 

 里見さんは、喜久醉松下米の松下明弘さんの米作りを、我々が『吟醸王国しずおか』で松下米の田植えを撮影したときから同時スタートで追いかけはじめ、主に玄米食専用品種「カミアカリ」の成長を取材されたのでした。9月の稲刈りまで、我々の仲間であるカメラマン山口嘉宏さんがdancyu掲載用に撮り下ろした鮮やかな写真が、7ページにわたって誌面を飾っています。ぜひ書店でお求めくださいませ!

 

 

 夕方にはオフィストイボックスの櫻井さんから、刷り上がったばかりの『杯が満ちるまで3号(吟醸王国しずおか映像製作委員会会報誌)』が届きました。今号はパイロット版試写会の報告&感想コメント集です。この先、くじけそうなことがあっても、これを読めば勇気が湧く!と思い、100%自分のために作りました(笑)。押し付けられる会員さんには申し訳ありませんが、映画のパンフレットか映画雑誌の批評コーナーみたいなレイアウトにしましたので、「いろんな見方をする人がいるんだな」「早く観たいな」と感じてもらえれば。

 

 

 

2008100617300000  編集モノの仕事がひと段落し、食糧の買い出しに出かけ、本屋に立ち寄ったら、sizo;ka9号(最新号)を見つけました。dancyuはちゃんと発行日に間に合うように見本誌を送ってくれるのに、sizo;ka編集部は手際が悪いな~と思いつつ、パラパラとめくってみたら、里見さんのコラムが3本も載っているではありませんか!

 ほかに写真家・多々良栄里さんの作品や、静岡の蔵元5社が「おススメ酒」を紹介するコーナーがあったりして、身内で創ったみたいな錯覚・・・。でも嬉しいですね、知り合いが同じ雑誌で別々にちゃんとポジションを守っているって感じで。

 ちなみに連載中の「真弓のスケッチブック」では、開運の杜氏・波瀬正吉さんの故郷を撮影に行ったときのエピソードを紹介しています。私の入魂の一筆!波瀬さんが厳しい眼で試飲しているスケッチ画もお見逃しなく。

 

 

 長い一日が終わろうとしています。

 気がつけば、デスクの上には、今日一日で集まった雑誌が4冊。その下にお経が1冊。明日にはお経解説本が届く予定です。しばらくは活字に埋もれて癒しを求めながら、辛い出来事を静かに見送ろうと思っています。

 


最新の画像もっと見る