杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

家事の大事

2013-10-22 09:42:50 | 日記・エッセイ・コラム

 今日(22日)は今月に入ってやっと取れた休息日。夏物衣料や扇風機の片付けやら掃除やらで一日つぶれそうです。

 

 お恥ずかしい話ですが、最近、この年齢になって、ようやく「家事」って立派な仕事だなあと実感できるようになりました。

 

 

 たとえば洗濯。まず“道具”選びからして取捨選択の眼が必要です。最近はやたら洗剤が多機能&パッケージが派手になっていて、ドラッグストアの洗剤コーナーでは、まず商品選びからして迷います。事前に、自宅の洗濯機の性能、使用頻度、乾燥方法など等をインプットしておかなければなりません。自分の場合、仕事柄(酒蔵や食品関係の取材等で)、香りの強い洗剤や柔軟仕上げ剤はNG。シャンプーや化粧品類も香料の少ないものを選びます。敏感肌なので極力、化学合成物質を含まないオーガニック製品が望ましいのですが、洗浄力の点で劣るし、価格も割高。どっちのリスクをとるか悩ましいところです。

 

 

 晴天の朝の洗濯干しは大好きな気分転換作業の一つ。我が家には乾燥機がないので、狭いベランダで、いかに効率的に乾かすかつねにチャレンジングです。衣料の素材、サイズや形状、色柄を考慮し、どれとどれを隣り合わせで干すか、数限りある洗濯ばさみをいかに有効利用するか、短時間ながらものすごく頭を使う作業ですね。私はしょせん独り分ですから、小一時間程度で終わりますが、大家族の洗濯ともなると、半日はかかる大仕事でしょう。頭脳と体力を駆使するハードワークです。

 

 

 

 掃除はあまり好きではなく、家では、汚れが気になってきたらやる、という感じですが、お寺のバイトでは、「つねにきれいな状態にしておく」ことが業務。一日さぼれば一日分の埃がしっかり溜まり、目立ちます。毎日の地道な作業の積み重ねが大事だということを、実にわかりやすく、的確に教えてくれるのが掃除であり、だからこそ、禅寺の修行メニューにもなっているのだと理解できます。

 

 ・・・といっても、掃除しながら他のことを考えていたり、終了時間を気にするなど、まだまだ無心で作業できる境地には到達していませんが、洗濯と同様、洗剤選びから始まり、効率よく汚れを落とす手順や方法を考えながらの作業は、仕事や日常生活のあらゆる作業能力の効率アップを図る訓練に、確実になっていると思います。

 

 

 

 最近、「仏教に興味がある」「坐禅に連れて行って」という男性が私の周りにちらほらいて、さまざまな情報を提供しています。歴史講座を受けたり、寺の坐禅会に参加するという、いかにも非日常のカタチから入る人が多いし、自分もそうでしたが、家事という最も日常的なフィールドでも、修行といえる体験が出来るのではないかと、少しずつ実感できるようになりました。

 

 もっとも、家事に、作業効率化の訓練という“目的意識”を持ってしまったら、純粋な意味での“修行”にはならないと思いますが、これまで家事を、仕事よりもずっと下に見ていた自分にとっては大きな前進です。

 

 

 

 なんだか取りとめの無い話ですみません。さあ今日はとりあえず、気合を入れて部屋の掃除をしますね。

 

 


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