昨日(17日)、下田市の新市長に無投票当選した楠山俊介さん。つい先月、下田黒船祭の取材に行った時、選挙前のお祭り時期は挨拶回り等で忙しいのにギリギリまでつきあって一緒に飲んでくれた素敵な先輩酒友です。
立候補すると聞いたときはビックリしたけど、長年、市民の立場で下田の街づくりや観光振興に手弁当で尽くしてこられたその思いが、正真正銘ホンモノだったんだなあとじんわり感動しました。
地域でいろんな発言をする人は多いけど、政治家になる選択をするというのは、並大抵のことではありません。特定の政治家を応援するのも、何か特殊な色眼鏡で見られる・・・そんな土壌がありますよね。でも支持する政治家がいない、投票に行かないという有権者が、今の政治を作っているんだと思います。その意味でも、知っている人が立候補するというのは、自分たちの手で政治をよくするチャンスが廻って来たと思わないといけませんね。
それはさておき、楠山さんとの出会いはかれこれ12~13年前にさかのぼります。2000年に伊豆新世紀創造祭という観光イベントが伊豆全域で開かれ、下田市では料理と器をテーマにした『下田テイスティ・アート』というプログラムが企画されました。
私はこのプログラムにしずおか地酒サロンをぶつけようと、下田市の植松酒店さんはじめ、しずおか地酒研究会会員や静岡県ニュービジネス協議会東部部会員、静岡新聞社・伊豆新聞社関係者何人かを巻き込んで、国際ラリーライダー&エッセイストの山村レイコさんを囲む『下田温泉・地酒夜話』という宿泊サロンの開催にこぎつけました。12年前の写真です。レイコさんはこの頃とちっとも変らず今もおキレイですよね! 正雪さん、喜久醉さん、初亀さんは若いなあ・・・
このとき、下田テイスティ・アート実行委員会側で尽力してくれたのが楠山さんでした。名刺を見たら歯科医とあり、観光イベントのボランティアをやっても直接メリットがないのに、ずいぶんフットワークのいい歯医者さんだなあと思いました。
「スズキさんも、酒のイベントやっても自分の儲けはないでしょ?好きでやっているんでしょ?同じだよ」とニコニコしながら楽しそうに飲む、そのエビス様みたいな顔が印象的。でも行政に対しては、ちゃんとモノ申す人でした。
その後も、下田でちょこちょこ地酒講座や『吟醸王国しずおか』パイロット版試写会をやるたびにいろんな人を集めてくれました。下田の観光記事を書くときも、急に連絡してもパパッと資料を用意してくれて、こんな人が行政にいたら下田の行政サービスは向上するだろうなあと思っていました。・・・でもまさか市長になるとは
もちろん政治・行政経験ゼロの楠山さん。これからいろいろな場面で苦労されると思いますが、そんなことはご本人も承知の上。傍から見たら苦労に見えても、本人は屁とも思わないかもしれません。民間出身の首長に求められるのは、生半可な知識やテクニックではなく、人間力やコミュニケーション能力なんだろうし、それは、楠山さんが最も強みとしていることだろうと思います。
新市長に過度な期待は禁物かもしれないけど、でも、チェンジしてほしいし、楠山さんなら何かやらかすはず・・・!と心から願っています。