杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

お祝い三昧

2008-02-27 12:25:49 | NPO

 ゆうべは浜松での取材が終わった後、樹木医の塚本こなみさんと、豆腐と地酒の名店『豆岡』で乾杯をしました。このブログでも再三紹介してきた身近な人たちが、この数日、立て続けにハレの舞台で喝采を受けたので、こちらもウキウキ気分。外は突風&大雨でしたが、心は春の花満開!状態でした。

 まず、こなみさんに、23日のNHK『課外授業~ようこそ先輩』の放送祝い。豆岡のお母さんこと女将の岩崎末子さんが「感動しました」と口火を切った後、私が、ディレクターの金聖雄さんとのメールのやりとりを報告。少年が選んだケヤキの木が病んでいて、それを掘り起こした展開が筋書きみたいでした、と感想を述べると、「あの学校に行って、真っ先に、あの木が一番状態が悪いってわかっていたけど、まさかあの木をマイツリーに選ぶ子がいるとは思わなくて、金さんと悩んじゃったのよ」と裏話を聞かせてくれました。こなみさんは、予定の収録日を一日追加し、あのケヤキがどんな状態か、どうすればいいのか、クラス全員を集めて授業をしたそうです。

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  担任の先生からは、収録が終わった後、「今まで口をきこうとしなかった子が少しずつしゃべるようになり、問題行動を起こしていた子が周囲に優しくなるなど、びっくりするほど変わりました。木に触れることが、これほどの効果があるとは知りませんでした」と感謝の手紙が来たそうです。こなみさんのもとに届けられた観察日記は、どの子も真剣そのもの。こなみさんもついつい、びっしり返事を書き込んで、腱鞘炎になりかけたとか。「ホントはその部分も放送してもらいたかったのよ」と笑います。

 番組収録が終わったからといって、縁が切れるわけではなく、子どもたちにとって、こなみさんは永遠に忘れがたい木の先生になるでしょう。卒業後も、母校にそんな思い出が持てるなんて、幸せな子たちだな、と思いました。大人になったら、ぜひ観に行ってほしいですね。あしかがフラワーパークのこなみさんの大藤!

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  豆岡の女将さんとは、お会いするたびに、ついつい、「日本人が日本酒を大事にしなくなった」と嘆き合ってしまうのですが、この夜も、「外国のお客様のほうが日本酒を喜んで呑んでくれるの。その横で、日本の女の子が“なんで焼酎置いてないんですか~?”と訊くのよ」と女将。

 豆岡の酒棚は、棚全体が冷蔵庫になっている特別仕様の棚。これだけのしつらえで地酒を大事にしてくれる店は、本当に少なくなってしまいました。一方、先週末届いた酒業界誌フルネットのメルマガによると、東京の地酒の名店が選ぶ酒どころイメージランキングでは、1位山形に次いで、静岡は第2位。この上位2県が、3位以下をかなりの差で引き離していました。消費者の人気ランキングでは相変わらず新潟が強いみたいですが、酒を商うプロの評価は違うようです。

 消費者に認知されるまでどれだけ時間がかかるのか、マーケティングの専門家ではないので見当もつきませんが、静岡のお膝元で、地酒の普及に30年以上尽くしてきた豆岡に来る客がこうでは、一体いつになるやら…。それでも全国2位の評価は、映画『吟醸王国しずおか』の製作者として大いに励みになります!

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 私が23日に京都へ行っている間、静岡では県STOP温暖化キャンペーングランプリの発表&表彰式がありました。このブログでも紹介し、個人的に応援していた『御前崎病院花の会』が、エコオフィス部門で優秀賞を受賞しました。グランプリのサッポロビール、準グランプリの資生堂と、企業規模を比べたら、大変な健闘だと思います。

 病棟の屋上を緑化し、春は菜の花(もうすぐ満開です!)、夏はひまわり、秋はコスモスと四季折々の花畑にし、階下の天井の温度を下げたり上げたりする効果のほどを地道に計測しています。育てた花は、もちろん、入院患者さんやお見舞い客にプレゼント。花の手入れや清掃活動などには地域の皆さんも参加します。代表を務める画像診療科の塚本隆男さんからは、「鈴木さんの後押しのおかげです」と過分なお礼メールをいただきました。「最終審査に残り、発表&表彰式に参加でき、他の企業や活動家の方々と情報交換ができたのが一番の収穫でした」と塚本さん。このブログには、〈御前崎病院花の会〉や〈塚本隆男〉や〈ストップ温暖化〉といったキーワードで検索・訪問してくれる人もいましたので、そういう方に私のことを知ってもらえて嬉しいです。お互い様ですね!

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  検索キーワードといえば、昨日、浜松で取材の合間にブログのアクセス数をチェックしていたら、〈山本起也〉〈スペイン〉〈最優秀〉というキーワードで訪問してきた人が何人かいて、もしかしたら…と23日まで開催されていたスペイン国際ドキュメンタリー映画祭punto de vistaのサイトを見たら、山本起也監督の『ツヒノスミカ』が最優秀監督賞を受賞とあり、ビックリ感激。15日の『朝鮮通信使』上映会で会ったときは、「スペインにもって行く機材が規格違いで、上映できるかどうかわからない、大変だ」とあせりにあせって、終了後、あわただしく東京へトンボ帰りしていたのがウソみたいです。

 

 これは1年前の駿府公園東御門でのロケ風景ですが、数年後、国際的大巨匠のお宝写真になるかも…!