今日の出来事

毎日のことを少しづつ。

譲られる着物、謎の着物

2008年02月28日 | 着物のこと
最近、しかもなぜか木曜日に(ヨガの日)お義母さんが夕方時折やってきます。

今日も帰宅した直後「mayちゃん」と声をかけられて見るとお義母さん。
夕方のお散歩のついでかな~。

「あのね。あなたの車が帰って来るのが見えたから一度寄ったんだけど
戻ってきたの。着物をまた持ってきたの」

私が不在だったため前回同様スーパーの買い物袋に入った着物が
自転車の荷台においてありました。

お義母さんに家に上がっていただいて
ヨガにも行かなければ行けないので急いで袋から中身を出しました。

中から出てきたのは
渋~い黒に近い緑の雨コート、渋い臙脂のような道行きコート
臙脂と朱色を混ぜたような着物、ネルの半襟付きの肌じゅばん。

雨コートはお義母さんが年齢を重ねても着られるように地味な色にしたとか。
まだしつけも付いたままで一度も着ていないのよ、と。

先日のもこもこコートは裄が短かったけどかなり暖かくて
落語の日も、宝塚の日も大変活躍したことを伝えると
「もうね、春先になってきてああいう厚手でないものもいるでしょう」と
道行を持って来てくれました。

道行はもう持っているんですよ…でも沈黙してお礼を。

ネルの肌襦袢はピンク色でやや茶色く変色していました。
袖の半分先に薄手の生地が付いていて袖口にゴムが入っています。
「出してみたらゴムが伸びちゃっていたから入れなおしておいたの。
私の腕に合わせたからあんたにはもしかしたら緩いかもしれないんだけどね」

こういうものを袖をつけずに普段着の時は着ていたそうです。
なんだ、振りから袖が見えないのは…と言う人もいるけど
昔から半襦袢はあって着用されていたのね。

赤い着物はお召しだとか。
オットの中学高高校の入学式か卒業式に着たそうです。
見ると胴裏が紅絹!

「おかあさん、これ着る時は汗かかないようにしないといかんね~
色移りするのよね」
と言うと
「そんな色移りなんて滅多にしないし大丈夫よ。
大して汗なんてかかないでしょ?冬だし」

なにもそれ以上は言わなかったけど着ている人の話だとわりに移ると言うから
自分で気をつけます…

お召しは一度汚したか何かで仕立て直ししたそうで
裄はやはり短いし、身丈も短いけど身幅は実家の母のものに比べると
ちょっとゆったりめ(それでも細見)なので
何とか着られそう。

さて、着物の話になると必ず出る着物の話があります。
それはお義母さんの派手な付け下げ
の話です。

義母は美容師で着付けの仕事の時は必ず着物で行っていたそうです。
着物は仕事着でどろどろになるまで着ていたとか。

「ある時お店で綺麗な着物を見て買ったのだけど
その時はお店の蛍光灯に下で見たのがいけなかった。
出来上がってきた着物を見たらびっくりするほど派手で
もう着ることができなかったのよ。あんなに赤い着物はもう着られないわね~
あんたが着るならあげるんだけど…」

毎回この話を聞くのですが
「付け下げだとちょっと改まっちゃうからなかなか着ないと思うのよ。
ごめんね」
と伝えるのですが
この見たことのない派手な付け下げの話は何度も聞いているので
だんだん「一度どんなに派手だか見てみたい」と思うようになりました。

今日もこの話を聞きました。
でもやっぱり「う~~~ん付け下げは着ないわね~」と言ってしまった。

次にこの話を聞く機会があったら
「そうね、一度見せて欲しいわ」と言ってみます。

「派手ってこんな風に赤いの?」と今日もらったお召しを指したら

「ちがう。もっとオレンジ色みたいな赤

やっぱり一度見てみたいものです。