以前保多織の着物をお願いした「kimono gallery 晏」さんの展示会のご案内をいただきました。
地元高松、東京では展示会を開催しているようですが近畿地区では初めてとか。
保多織の着物が大変着心地よく、また
帯もサイトを見るとステキなものばかり。そしてすぐ完売になるものばかり。
一度実物を見てみたいなあと思ったことと
着物で車の運転する時に毎回「袖が邪魔」「いつか引っ掛けそう」と
気になっていたので「上っ張り」なるものが保多織りで作れるとあったので
それをお願いしようと決めていました。
ちょうど同じくらいにいつも箪笥の中身で(笑)
お世話になっている大阪の桃葉さんから
「繁昌亭の落語を聞きに来ませんか?」とお誘いいただきました。
夜席なので終演時間が気になりましたが
調べるとなんとか終電に間に合いそうだったので
せっかくのチャンス!ここで行かねばいつ行けるかわからない!と
ご一緒させていただくことにしました。
ちょうどどちらも同じ日になったので先に奈良へ行って展示会を見て
大阪に入ることに。
地元駅から全て特急を使って乗り換えして奈良までは1時間20分。
駅から地図を見ながら行こうとしますが、北も南も分かりません。
交番で聞いたり、観光案内所で聞いたりしながら。
駅から一本道でしかも面白い商店街の中を通りながら展示会場へ。
到着してびっくり。
もうすごい人…帯はひっくり返され、保多織の見本生地は散乱して
どこかのバーゲン会場のようです。
店長さんとスタッフの方と二人だけのようで多数のお客様の相手をされていて
ちょっと質問したくてもなかなかできません。
これは困ったな…
時折声をかけてくださいますが、あまりの人と商品の中で
はて?私は一体何を買いたかったんだっけ?になってしまい
もう帰ろうかな~と何度も思いましたが
いやいやせっかく電車に乗ってきてなかなか見られないものだから
もう少しよく見て帰りましょう。
上っ張りもやっぱり欲しいし。まあいろいろ見て時間を過ごしましょう。
いろいろな方の選んでいるものを見ては「あれいいなあ」と思ったり
「薀蓄ねえちゃん」の「これは完成された柄だからナンタラカンタラ」
「こういう柄は飽きが来るのよね~」とか(その帯は私が前から好きな柄だった)
いう薀蓄を聞きながら。
「伊勢木綿」の反物も沢山ありました。
実はこれは「地場産業」。いつかは一枚欲しいなあと思っていました。
ところが地元の呉服店ではほとんど扱いがなく
あっても1反か2反くらい。なんで?
その中で何回見ても気になるものが…
やっとお客様が空いてきた時に店長さんに上っ張りのことをお願いして
生地も選んで。
実はこの生地、その時いらしていたお客様の保多織着物と同じもの。
長い事その方もいらしていて見ているうちにだんだん情が沸いてきたような(笑)
その時に気になっていた伊勢木綿を持ってきて
「これならどんなコーディネートがいいでしょうか?」と聞いてみました。
すると店長さんはパッとあの気になっていた薀蓄ねえちゃんの「飽きの来る」と
言った帯を当ててくださって「こんなのいかがですか?」と。
しかしそれがまさに嵌ったコーディネート。
やられた・・・その上にさらに帯締め帯揚げを当ててくださいます。
その色はどちらも別注で染めていただくものだそうで
あまり見ない色でそれもまたぴったり。
もう、これは…
「よろしくお願いします…」
この一言で予定外の買い物の注文書を持って帰ることとなりました。
やってしまった・・・
確か上っ張り
のみお願いするつもりで行ったのだけど…
ということで持ち帰りのできる帯と帯締めだけ持って大阪へ。
その前にせっかくこれまた奈良まで来たのだから
葛きりだけは食べて帰りたい!と近くのお店に入っていただきました。
大阪着の時間が迫っていたので急いで食べてまたダッシュで駅まで。
次は大阪行きの電車。
日本一長い商店街、天神橋商店街の中に天神天満繁昌亭はありました。
日が暮れて明かりがともって
なにやら昔の寄席に来てしまったよう。
寄席の上にはまんまるお月様も。
お隣は大阪の天神様。ここまで無事に来られたことを感謝してお参りしました。
実は今回誘ってくださった桃葉さんが3日間「お茶子」をされるというので
本日はその2日目。
大阪の着物つながりで落語好きの皆さんや桃葉さんのお友達も応援にいらっしゃっていました。
本日夜席は下の方たち。
寄席の中は思ったより席が詰まっていてキャパが200だそうですが
もう少し狭い感じ。
天井には沢山の提灯がぶら下がっていて面白い。
二階席もあって以前二階席で聴いたことのある方に伺うと
それほど舞台は遠くもなくそして、提灯をかなり近く感じた(笑)そうです。
幕が上がるとちょっと「あれ?」
実は当日のプログラムがあって書かれている噺家さんと違う方が出てきました。
次に出てきた本日メインのかい枝さんが
その方が「遅刻」したと。
かい枝さんの落語はとっても面白くて上手。
どんどん話に引き込まれてだんだんかい枝さんがその話の人物に見えてくる
まさにひとり芝居、「ガラスの仮面」の北島マヤ状態です。
次に出てこられた三象さん、お隣の方に
「もう、出てきただけでめっちゃびっくりして笑える人やからね」
「なんとも言えんキャラやから。ビジュアルがもう…」
と聞いていたのでどんなかな~と楽しみにしていましたが
爆笑です。
え~~~と
この人は落語でなくて「イロモノ」でしょうか…?
いえいえ、れっきとした落語家さんでした。
中入り後は遅刻して来た落語家さんが大慌てで一席されていました。
お気の毒でしたがお客の私たちは一席お得に聴けたわけで
ラッキーラッキーでした。
そして再び三象さんが出ていらっしゃいましたが
ちょっとお化粧出ていらしてさらに舞台でお化粧を仕上げて
なんと袖に一瞬引きこもったと思ったら
衣装を早替えして(下に着ていらしていたらしい)いきなり
新舞踊(歌謡曲で踊る日舞)を…
それがとても上手なのだけどなにぶん衣装と、頭につけた蝶々(りぼん?)が
踊る度にぷるるん、ぷるるんと揺れて大爆笑!
しかもそのシルエットがライトで後ろに映ってそれも爆笑。
そしてそれをフルコーラスできっちり踊られてまた爆笑。
え~~~と。この方実はイロモノさんでしょうか…?
トリはもちろんかい枝さん。
おばあちゃん2人の会話でしたがそれが本当に大阪のおばあちゃんが公園で
会話しているようでまた想像できるのでおかしくておかしくて。
本当によく笑えました。楽しかった!ビバ!落語!
どんな噺家さんがいるのかはまだ全然わかりませんが
ぜひまた行きたいです!
地元でも大きなホールですが年に一度か二度落語が来るので
チケットを取ってみよう。
帰りは思いのほか早い時間に終わったので余裕だわ~と
ほっとして一緒にホームに来た人たちに
「私はこちらですから」と言って反対のホームで電車を待とうとしていたら
「え?京橋まで行くんですよね?そっちは神戸方面ですよ」
よかった・・・
京橋で乗り換えする時に一緒に降りてくださった方にきちんと
次に乗り換えするホームまで案内していただきました…
ありがとうございます。
鶴橋でも発車まであと2分という特急に乗ることが出来て
予定より早く帰宅することが出来ました。
残念なのは急いでいたので特急で食べるご飯を買えなかったこと。
実は行きもお昼は特急でおにぎり二つだけ、葛きりはいただきましたが
お腹がすいていて、落語の最中にもしも
ぐ~~~ぐ~~~
鳴ったらどうしようとヒヤヒヤ。よみがえる東儀さんのコンサート(爆)
鳴らなくてよかった。
今日の着物は水色紬。以前ぶるちゃんが「青空のようだ」と言ってくれたような気がするので密かに「ヒタチ」と名づけています。分かるかな(笑)
天気がいいのでたまには外で撮ってやろうか?と言ってくれたので
家の近くの川べりで。
実は今日買った帯はこの着物にもよく合います。
いつか合わせてみよう。